標準貫入試験
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標準貫入試験(ひょうじゅんかんにゅうしけん)(standard penetration test)は、JIS A 1219に規定される地盤の工学的性質(N値)を求めるためにに行われる試験。
N値の利用については、N値を参照のこと。
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[編集] 試験方法
質量63.5kg±0.5kgのドライブハンマー(通称、モンケン)を76cm±1cmの高さから自由落下させてボーリングロッド頭部に取り付けたノッキングブロックを打撃し、ボーリングロッドの先端に取り付けられた標準貫入試験用サンプラー[1]を規定貫入量である30cm打ち込むのに要する落下回数(=N値)を求める。
最大打撃数を50とし、規定貫入量の30cmに至るまでに打撃数が50に達した場合は、その時の貫入量(長さ)を記録して試験を終了する。
落下高さは、もともとの定義である30インチの換算値76.2㎝と諸外国の定義値を考慮して決定した。
[編集] サンプリング
標準貫入試験用サンプラーは、中空になっているため、試験を実施した区間(深さ)の土質試料を直接採取することができる。試料採取をしやすいように、管を縦に2つに分割することができる。よってその試験区間の土質や地質の状態を直接目視し、試験数値との整合性等の確認をすることができる。
標準貫入試験により採取した土質試料は、土質試験(物理試験のみ、力学試験や単位体積重量の測定を除く)を実施する事ができる。
[編集] サウンディング試験
この標準貫入試験のように、地層に試験用錐(コーン)を貫入させ、その貫入抵抗値を求める地盤調査法を、サウンディング試験(ペネトレーションテスト)と言う。他に用いられることの多いサウンディング試験の例には、簡易貫入試験、ポータブルコーン貫入試験、スウェーデン式貫入試験などがある。
[編集] 標準貫入試験の歴史
日本国内で初めてサウンディング試験が、組織的に地盤調査として行われたのは、関東大震災の復興局による調査である。当時、関東平野をメッシュ状に(格子に)区切った交点において、「突下数(とっかすう)」と呼ばれるサウンディング試験を行い、関東平野全域の地盤状況の把握が行われた。その結果、広域に軟弱地盤(沖積平野)が拡がることを始めて確認した。以降、軟弱地盤の知見が、地盤工学的にも地質学的にも拡がった。
[編集] 脚注
- ^ 標準貫入試験用サンプラーは、通称「ペネ管」と呼ばれる。中空ではあるが先端がコーン形状をしており、ペネトレーションテストと同時に試料採取を行う管である。なお英語では「スプリットバレルサンプラー(Split Barrel Sampler)」と呼ぶ。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 建築関連のスタブ項目 | 地質調査