殺人光線
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殺人光線(さつじんこうせん)とは、光や電磁波、電光などによって、人を殺傷する光線兵器のことである。古いSFや特撮作品にしばしば登場した。「怪力線」とも云い、今日のレーザーや荷電粒子砲にも通ずる。
[編集] 概要
殺人光線は、有害な光線の照射によって人体にダメージを与え、それによって死に至らしめるという物である。
一般に考えられている殺人光線は、人体の主要構成要素であるタンパク質を分解し得る程に、非常に強いエネルギーを持っており、また衣服等の日常的な遮蔽物を容易く透過するか、それごと破壊してしまうとされる。これらは光線の性質上、発射から到達まで一瞬である事や弾道が重力によるズレが発生しにくい事から、古くから軍事方面における利用が期待されてきた。
良く知られている高エネルギーを伝え得る光線としては、レーザー光線やマイクロ波(電磁波)であるが、それらを発生し、また収束させて目標に投射する装置の軍事利用は進んでいない。何故なら空気中の減衰が激しいこと、そしてそれらを兵器に利用できるほど高出力の発生装置を作ると、どうしても装置自身やそれが消費するエネルギー源の大型化が避けられないという大きな欠点があるからで、また現用の火薬によって弾体を発射せしめる銃器(火器)の方が実績があり、またそれで間に合っているためである。
殺人光線には様々な種類があるが、以下のようなものは殺人的光線ではあっても殺人光線の範疇には含まれないと考えられる。なぜなら、これらは副次的に致死性であったり、その効果が遅効性であるもので、光線と致死の因果関係が曖昧だからである。
- 高速で移動する乗り物に乗った運転者の視力を奪う光線
- 照射され続けると、皮膚癌などの健康被害を被り、いずれ緩慢な死に至る危険性のある光線
- 太陽光線(日常的に浴びる分には健康に役立つが、浴び過ぎると病気の元である)
- 不快な色・パターンをしており、気分を悪くさせ、自殺などを促しかねない光線
- 光過敏性癲癇(1997年のポリゴン事件など)
- 断眠のために強烈な光を顔面に向けて照射するという拷問
いくつかの国家では、真剣に研究が行われ、旧日本軍でも電波が殺人光線として利用可能かどうかが研究された。