毛利小五郎
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毛利 小五郎(もうり こごろう)は、青山剛昌の漫画作品及びそれを原作とするアニメ、テレビドラマ『名探偵コナン』に登場する架空の人物。アニメでの声優は神谷明。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
毛利蘭の父親。 工藤新一や蘭が通っている帝丹高校出身(妃英理、工藤有希子とは同級生)、米花大学卒。
チョビヒゲがトレードマークの38歳。一応、「毛利探偵事務所」を経営している私立探偵だが、実態はただのうるさいおじさんである。喋り過ぎの傾向があり、よく蘭に睨まれることもある。仕事がないときはテレビを見ながらビールを飲んでいるシーンがしばしば見られる。
[編集] 過去
最初は“ヘボ探偵”と紹介されていたり、どこか憎めないお笑いキャラであったが、連載が進むにつれ優秀な部分が発見される。
かつては警視庁捜査一課強行犯係(一時、火災犯係。劇場版では所轄署)の刑事で、拳銃は警視庁でも有数の腕前だった(しかし、原作でテレビ番組に招かれた際、「私は元刑事といっても、拳銃はそれほどでも…」と言っているシーンがあり、それが正しければ矛盾しているが、謙遜の可能性もある。当然ながら原作では発砲のシーンはないため、現時点では真偽不明)。
大学時代は柔道部所属だったが、あがり症のために公式戦で勝ったことがほとんど無い。但し通常の状態ならば、柔道部の中で一番の腕前だったらしく、本編では犯人を捕らえる時にその技の切れを見せることもある。また、アニメ・劇場版においては高所恐怖症である(余談ではあるが、担当声優の神谷はシティーハンターの冴羽獠でも高所恐怖症の役を演じた)[要出典]。
高校時代は硬派で通っていたらしい。工藤有希子と妃英理のミスコン対決の折、当時の小五郎は、ミスコンの「ミス」をミステイクの意味と勘違いしていて、ドジな女の方として英理の名前を書いていた。結局、投票はしなかったのだが、開票の結果、両者1万票で分け合ったため、(小五郎の持っていた)残り1票の行方を巡って混乱になり、その後ミスコンは中止となった。
[編集] 探偵業
彼が行く(≒コナンが行く)場所では必ず事件が起こることから、目暮警部たちに「疫病神」とされることもある。基本的に探偵としてはあまり誉められない人物だが、コナンが時計型麻酔銃と蝶ネクタイ型変声機を使い、小五郎になりすまして事件を解決しているため、最近では眠りの小五郎と呼ばれる名探偵と評されるようになった。しかし無名だった頃は「毛利小五郎だ!」と名乗っても誰だか解ってもらえなかったり、明智小五郎や同姓の宇宙飛行士と間違われたりすることもあった。
なお、「密室殺人」に遭遇した場合、大抵「自殺」と即断して捜査を切り上げようとする困った傾向がある。犯人が残したミスリーディングを真に受け、普段よりも饒舌になり、刑事たちが立てた推理の可能性を消していっている。その態度は、まるで捜査が嫌いなのではないかと思わせる程。コナンたちに不自然な点を指摘されても「細かいことでいちいちうるさい」「偶然だ、偶然」で片付けてしまうことが非常に多い。また、相手がコナンや少年探偵団の場合は「ガキは黙ってろ」も加わる。(もっとも、これは刑事らの初動捜査に基づく推理を否定する形で殺人現場の状況を読者に伝えるという手法上、誰かがやらねばならないことなのではあるのだが。)
しかし、携帯電話と盗聴の関連性について説明したり、ごく稀に小五郎自身が(コナンの影からの補佐もあるとはいえ)見事に事件を解決することもあり、しかも時としてコナンが解けなかった謎や間違っている部分までも完璧に解いているので(人生経験の差などによることが多い)、必ずしも無能であるとは言いがたい。また、小五郎が解決する事件は、彼自身にとって重要な人物(旧友や妻)が関わっていること、小五郎にとって他人事ではない事が多い。ちなみに、妻の妃英理とは映画『14番目の標的』で語られている経緯により10年前から別居中の身だが、なんだかんだと言っても心の奥では想っている部分がある(「帰ってきてくれないか」といったこともあるが、英理が聞いていないフリをしていた)。
初登場時は依頼が全くといっていいほど来なかったらしく、無精ひげを伸ばして酒びたりの毎日だった。名探偵として有名になって収入は増えたように見えるが、未だにマイカーが買えず、遠出するときはいつもレンタカーを借りている(もっともマイカーを置く場所はないのだが)。山奥の別荘などに招かれた場合大抵はパンク、時には爆破されるなどしているため、修理・弁償代も嵩んでいると思われる。劇場版『天国へのカウントダウン』中のゲームで車(フォード・マスタング コンバーチブル)を手に入れるも、コナン達が脱出に使ったため水没して壊されている(本人は「待てよ、乾かせば使えるかも…」と諦めていない様子だったが)。
アイドル・沖野ヨーコの熱狂的ファンだったり、依頼人が美人と見ると鼻の下を伸ばしまくる一面もある。趣味は競馬・競輪などのギャンブル(大穴を当てたこともあるが、負けるときは大負けして一度に500万円をスッたことも)。酒癖が悪い上に、ヘビースモーカーでもある(ちなみに作中で吸っているのはハイライト)。そのためか、英理曰く「グズで不潔で女たらしで飲んだくれでいーかげんな男」。
沖野ヨーコの事件の関係で、彼女の新作CDはいつも本人からもらっているらしい。その代わり特典などはついていない様子。
[編集] 補足
他の人からの呼ばれ方は、コナン(新一)が「おっちゃん」・「おじさん」、蘭が「お父さん」、英理が「あなた」または「小五郎」目暮・阿笠が「毛利君」、他の警察関係者が「毛利さん」。
「眠りの小五郎」の通り名のせいか、睡眠薬のCMの出演依頼が来たことがある(ただ寝ていればいいらしい)。原作では話を聞くなり「ふざけんな!」と断っていたが、劇場版名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌では多額のギャラを提示されたらしく「ぜひ!やらせていただきます!」と返していた。
名前の由来は明智小五郎。余談だがドラマ版で毛利小五郎を演じる陣内孝則は過去にフジテレビ系金曜エンタテイメント枠の明智小五郎シリーズで明智小五郎を演じていたことがある。