民事介入暴力
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民事介入暴力(みんじかいにゅうぼうりょく)は暴力団が当事者として(またはその代理人として)民事紛争に介入し、暴力や集団の威力を背景に不当に金品を得ようとする行為一般を指す。その実態は威力妨害、恐喝であるが刑事事件としての成立要件を満たさない場合、当然の結果として犯罪もない。対策としては法律の専門家及び警察と連絡した暴力団追放センターに連絡する事が重要とされる。「民暴」(みんぼう)と略すこともある。
[編集] 手口
- 手口1…食堂やスナックなどの飲食店に対し、自身が経営に関与する関連会社(企業舎弟)とおしぼりや花・植木等のリース契約、あるいは小物アクセサリーやお守り等の販売契約を要求する。拒否した場合は、入り口付近で大声を出し威圧したり、店舗の中に客として入りこみ他の客へのいやがらせ行為をすることを暗に示唆する。暴力団対策法の施行前はみかじめ料(用心棒代)と称し直接金品を要求していたが、現在では正当な商取引契約の形をとるため、契約の事実だけでは刑事的処罰の対象にはなりにくい。
- 手口2…暴力団関係者が経営している風俗関連の飲食店(いわゆるピンサロなど)で高額な料金を要求する。(いわゆる「ぼったくり」)。店頭での料金表は暗く見にくくしてあり、精算時に法外な料金を請求する。金が無いなどと支払いを渋ると、クレジットカードでの支払いを要求したり、知り合いに電話をかけさせ現金を持参させたり、あるいは自宅まで集金に付き添うなどと脅される。高額であっても料金の請求自体は直ちに刑事的処罰の対象には見えないため、警察官が介入をためらう。
- 手口3…総会屋。大手民間企業の株を小額で購入し株主総会に出席する。総会で経営者に因縁を付け厳しく罵倒する。総会の収拾をつかなくし、総会への参加を辞退する代償に、他の名目で毎年金を暗に要求する。これを「野党総会屋」という。これに対し、議案に「賛成」を連呼するなどして力ずくで円滑な総会を進めることで対価を得る総会屋を「与党総会屋」という。総会屋になること、総会屋に利益提供することの両方とも露呈すれば商法で処罰の対象となる。現在では総会屋行為の取締りが厳しいため、企業研究会への協賛金や機関紙購入費などのかたちをとることが多くなっている。
表面上は民事での揉め事を装い警察の関与を避けているが、実際には極端な嫌がらせや暴力の行使を示唆して対価を得る行為であることには変わりなく、広義の恐喝行為であることに代わりはない。
[編集] 題材となった映画
- ミンボーの女…「民暴」をテーマにし、暴力団に対し徹底的に抗戦する映画。この映画の監督である伊丹十三は、この映画発表後に暴力団関係者と見られる男に刃物で斬られたことがある。更に、上映館も暴力団員にスクリーンを切られる事件が起きている。