永井均
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永井 均(ながい ひとし、1951年11月10日 - )は日本の哲学者である。自我論、特に〈私〉と呼ばれる彼自身の作った概念を中心に研究し、またウィトゲンシュタイン・ニーチェなどの研究を行っている。
多くの哲学書を著し、『〈子ども〉のための哲学』『子どものための哲学対話』などという子供向けの哲学書も書いている。
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[編集] 経歴
- 1970年 慶應義塾高等学校卒業
- 1974年 慶應義塾大学文学部哲学科卒業
- 1976年 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了
- 1982年 慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位の取得
- 1990年 信州大学人文学部助教授に就任
- 1995年 信州大学人文学部教授に就任
- 1998年 千葉大学文学部教授に就任
- 2002年 千葉大学大学院社会文化科学研究科担当
- 2007年 日本大学文理学部教授に就任(予定)
[編集] 哲学に対する態度
永井はすでに考えられた思想を見物しそれを選択するのは意味が無いと主張する。それに対する態度として、本当に重要なのは自分が持った「素朴な疑問」を考え続けることだと主張している。このスタンスは永井が幼いころから「なぜ『私』は存在するのか」という疑問をずっと考え続けているという経験に起因しているようである。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『〈私〉のメタフィジックス』(勁草書房、1986年)
- 『〈魂〉に対する態度』(勁草書房, 1991年)
- 『ウィトゲンシュタイン入門』(筑摩書房[ちくま新書]、1995年)
- 『翔太と猫のインサイトの夏休み――哲学的諸問題へのいざない』(ナカニシヤ出版、1995年)
- 『<子ども>のための哲学』(講談社[講談社現代新書]、1996年)
- 『ルサンチマンの哲学』(河出書房新社、1997年)
- 『子どものための哲学対話――人間は遊ぶために生きている!』(講談社、1997年)
- 『〈私〉の存在の比類なさ』(勁草書房、1998年)
- 『これがニーチェだ』(講談社[講談社現代新書]、1998年)
- 『マンガは哲学する』(講談社、2000年)
- 『転校生とブラック・ジャック――独在性をめぐるセミナー』(岩波書店、2001年)
- 『倫理とは何か――猫のアインジヒトの挑戦』(産業図書、2003年)
- 『私・今・そして神――開闢の哲学』(講談社[講談社現代新書]、2004年)
- 『西田幾多郎――「絶対無」とは何か』(NHK出版、2006年)
[編集] 共著
- (小泉義之)『なぜ人を殺してはいけないのか?』(河出書房新社、1998年)
[編集] 共編著
[編集] 訳書
[編集] 共訳
- (岩沢宏和・壁谷彰慶・清水将吾・土屋陽介)バリー・ストラウド『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか』(春秋社、2006年)