泣塔
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泣塔(なきとう)は神奈川県鎌倉市深沢地域梶原、JR大船工場敷地脇に建つ宝篋印塔で、塔に刻印された文字から建立は文和年間であると推定されている。鎌倉市の指定有形文化財。塔の正式な由緒は不明だが、鎌倉時代末期に新田義貞が鎌倉を攻めた際の古戦場(洲崎古戦場)が付近にある事、塔の背後にやぐらがある事から、やぐらに葬られた戦死者を周辺の住民が弔う為にたてた塔と見られている。
[編集] 石塔にまつわる伝承
一時石塔を付近の青蓮寺に移したところ、夜な夜なすすり泣く声が聞こえた事から「泣塔」と名付けられたという伝承や、横須賀海軍工廠深沢分工場が造営された時に塔を撤去しようとした人間が次々と不審な死を遂げたという伝承が残る。また泣塔を見た者が後日幽霊と遭遇したり、祟りに遭うという伝承も残っている。これらの伝承は泣塔周辺を開発から取り残すほどの影響を与えた。さらに泣塔は心霊スポットとしても知られ、夏の夜には肝試しに訪れる者も多い。
[編集] 拝観について
かつてはJR大船工場(現。鎌倉総合車両センター深沢地区)の敷地内だったため、この塔を拝観するにはJR大船工場の許可が必要であった。しかし近年、周囲の敷地とあわせて鎌倉市に払い下げられたため、JRに許可をとる必要はなくなった。