海馬体
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脳: 海馬体 | ||
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脳を底部から見た図(上が前頭葉、下が後頭葉)。海馬は外部からは直接見えないが赤色でその位置を表している。 | ||
英語 | hippocampal formation | |
上位構造 | 終脳、大脳、前脳、大脳皮質、辺縁皮質 | |
構成要素 | アンモン角(CA1, CA2, CA3), 歯状回, 海馬支脚等 | |
略号 | HIP | |
NeuroNames | hier-283 | |
MeSH | A08.186.211.730.385.826 |
海馬体(かいばたい)は、大脳皮質・側頭葉の内側にあり側脳室下角底部に突出した大脳辺縁系の一部。左右に一対ずつ存在し、ヒトでは直径一センチ、長さも五センチほどの器官である。ギリシャ神話に登場する海神ポセイドンが駆る馬車を引く、ヒッポカンポスと呼ばれた半馬半魚の想像上の生き物に似ているとされたことから名づけられた。
てんかん手術のために海馬体を切り取った、HMというイニシャルを持つ患者が、その後新たに記憶を獲得する能力をなくしてしまった(前向性健忘)と言うエピソードは大変有名である。このエピソードにより、海馬が脳の記憶形成に重大に関わる分野として、研究が盛んになっていった。
歯状回(dentate gyrus)、海馬(hippocampus)、海馬支脚(subiculum)、前海馬支脚(presubiculum)、傍海馬支脚(parasubiculum)、嗅内野皮質(entorhinal cortex)の各部に分けられる。海馬体全体のことを慣例として「海馬」と呼ぶことも多いが、厳密には海馬体の一部の神経細胞層を持つ部位が海馬である。
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