溝畑茂
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溝畑 茂(みぞはた しげる、1924年12月30日 - 2002年6月25日 )は、偏微分方程式論を専門とする数学者。大阪府生まれ。1944年に第三高等学校理科を卒業。1947年に京都帝国大学理学部を卒業。1954年から1957に、フランス政府給費留学生としてフランスに留学。京都大学名誉教授。師は岡村博教授。
関数解析的手法を用いた偏微分方程式論を日本に持ち込んだ泰斗。特に双曲型の偏微分方程式を精力的に研究し、Lax-Mizohataの定理を初めとして多数の業績を残している。1962年に出版された論文で考察された作用素は、線形偏微分方程式の局所可解性の研究において基本的な例である。著書の『偏微分方程式論』は英訳され、世界的な名著として知られている。
1966年に松永賞を受賞している。また1986年に、パリ大学から名誉博士号を授与される。
[編集] 邦文主要著書
- 『偏微分方程式論』 (1965) 岩波書店: ISBN 4-00-005971-8
- 『ルベーグ積分』 (1966) 岩波書店: ISBN 4-00-021831-X
- 『積分方程式入門』 (1968) 朝倉書店
- 『数学解析』上・下 (1973) 朝倉書店: ISBN 4-254-11025-1、ISBN 4-254-11026-X
- 『解析学小景』 (1997) 岩波書店: ISBN 4-00-005183-0
[編集] 欧文主要著書
- Lectures on Cauchy Problem. Tata Institute of Fundamental Research. 1965.
- The Theory of Partial Differential Equations. Cambridge University Press. 1973: ISBN 0521087279
- On the Cauchy Problem. Academic Press. 1985: ISBN 0125016603