特別医療法人
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特別医療法人(とくべついりょうほうじん)とは、医療法人内の区分の1つ。
第三次医療法改正(平成9年12月公布、平成10年4月施行)により創設され、役員の同族支配の制限などの公的な運営の確保、残余財産の帰属先の制限等の下記の要件を満たし、地域において安定的かつ公正な医療を提供できる医療法人として医療法42条2項の2に制度化されたもの。
- 40床以上の病院又は15床以上の救急告示診療所であること等
- 9種類の特定病床のいずれかを有するか、へき地医療等公益性の高い医療を実施する病院、診療所であること
- 社会保険診療に係る収入金額が全収入の80%超であること
- 自費患者は社会保険診療と同一の基準により計算すること
- 医療収入の金額は直接経費の1.5倍の範囲であること
- 差額ベッド比率30%以下
- 役員の同族割合が3分の1以下
- 給与支給額は年間3,600万円以下であること
- 残余財産の帰属は国等に帰属
特別医療法人となった場合には、その開設する医療施設の業務に支障のない範囲でその収益を医療施設の経営に充てることを目的として、下記のような定められた範囲での収益事業を行うことができる。
- 農業
- 林業
- 漁業
- 製造業
- 情報通信業
- 運輸業
- 卸売・小売業
- 不動産業(「建物売買業、土地売買業」を除く)
- 飲食店・宿泊業
- 医療・福祉(病院、診療所又は介護老人保健施設に係るもの及び医療法第42条各号に掲げるものを除く)
- 教育、学習支援業
- 複合サービス事業
- サービス業
なお、法人税率については、特定医療法人と異なり、通常税率である。また、医療法改正に伴い、特別医療法人は社会医療法人に発展解消されることとなり、2012年(平成24年)3月に廃止される予定。
[編集] 外部リンク
- 社団法人 日本医療法人協会
- 医療法人のホームページ - 厚生労働省