猿の手
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『猿の手』(さるのて、原題: The Monkey's Paw)はイギリスの小説家W.W.ジェイコブズによる短編小説である。本作は1902年に「遊覧船の貴婦人」にて発表された。この物語は「みっつの願い事を叶えてくれる」伝統的なおとぎ話の暗いパロディである。
「猿の手」は一見みすぼらしい猿の前足のミイラであるが、持ち主の願い事を三つ叶えてくれるという魔力を持つ。しかし、その願い事の成就には高価な代償が伴う。
本作は古典的ホラーのひとつに位置しており、多数のアンソロジーに収録されている。また、さまざまな形で後世の作品に影響を与え続けている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
老いたホワイト夫妻は猿の手のミイラを手に入れた。 元の持ち主のモリス軍曹が言うには、その猿の手には魔力が宿っていて、持ち主の望みを3つだけかなえる力があるらしい。 ホワイト氏は冗談半分に、猿の手に「裕福になれますように。」と願った。
その翌日、一人息子のハーバートが死んだとの知らせが届く。夫妻には、息子が悲惨な死に方をしたことの代償として200ポンドが支払われた。
老夫婦は息子の死を嘆き悲しんだ。そして、猿の手に 「死んだ息子を返してくれ!」と願った。その夜、夫妻は家のドアを何者かがノックする音に気付く。夫人はその者を迎え入れようとしたが、不吉な気配を悟ったホワイト氏は猿の手に3つめの願いを祈った。激しいノックの音は突然途絶えた。
結局、ホワイト夫妻の手元には200ポンドだけが残った。
[編集] 関連項目
- ペット・セマタリー
- 猿の手と、ラザロのよみがえりをモチーフにしたスティーブン・キングの長編ホラー小説。死者を悼み、そのよみがえりを願う気持ちが破滅に繋がるさまを描かれている。これは「ふたつめの願い」の過ちに気が付かなかった者の姿である。また、同著者は短編『神々のワードプロセッサ』においても猿の手のパロディを描いている。
- en:Three wishes joke
- 「3つの願い」に関するジョークについて記述されている。
- The Monkey's Paw Gutenberg eTextより(英語)