ペット・セマタリー
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『ペット・セマタリー』 (原題: Pet Sematary )はスティーヴン・キングが1983年に発表した長編小説である。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 特色・作風
1983年発表であるが、原稿自体はそれより以前に完成しており、かねてから「あまりの恐ろしさに発表を見合わせている」と噂されていた作品である。(もっともキング自身は「妻のタビサがこの本を私に発表させたがらない」と述べている。) 作品そのものにはホラー色が強いが、主題は人間愛・家族愛の哀しさ、人間の愚かさ、といった点に置かれている、といっていいだろう。また、本作品中には過去の自作の作品の設定がさらりと引用されている場面なども多い。[1]
ちなみに、原題の「Pet Sematary」は「ペット霊園」の意味であるが、英語の正しい霊園のスペルはCemeteryである。本作品に登場するペット霊園の入り口に幼い子供の書いた看板がかかっており、そこには"CEMETERY"を"SEMATARY"と子供らしいスペルミスをしている、と描写されている。キングはそのスペルミス表記のままを原題にしている。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
メイン州の田舎町に家を購入した若い医者のルイス・クリードは、妻のレーチェルと幼い娘のアイリーン、生後間もない息子のゲージ、アイリーンの愛猫チャーチルを伴って引っ越してきた典型的な「幸せな一家」である。庭には細道があり、町の子供たちが昔に造ったペット霊園がある裏山に続いている。隣家にはジャド・クランドルとその妻の老夫婦が住んでいる。
ある日、妻が子供たちを連れて実家に帰省している時に猫のチャーチルが車に轢かれて死んでしまう。まだ身近な「死」を受け入れたことのない幼い娘にどうやって説明するか悩んでいるルイスは、詳しい事情を聞かないままジャドに連れられて、チャーチルの死体を裏山からさらに奥に分け入った丘に埋める。すると、次の日に死んだはずのチャーチルが生き返って家に帰ってきた。だが、帰ってきたチャーチルは腐った臭いを発しヒョコヒョコ歩く、全く別な何かのようだった。釈然としないまま、過ごしていたある日、チャーチルと同じように今度は最愛の息子ゲージが轢死してしまう。悲嘆にくれるルイスに、ジャドはチャーチルを埋めた場所にまつわる忌まわしい事実を語り、決してあの場所に二度と近づくな、と釘を刺す。が、亡くなった息子への愛がルイスに決して超えてはいけない、一線を超えさせてしまう。
以上で、作品の核心的な内容についての記述は終わりです。
[編集] 映画化
キング自身が脚本を書き下ろし、映画化された。1989年全米公開。
本編終了後、作品の悲しい余韻に浸っていた観客に、突如おどろおどろしいロック音楽をエンドロール中に流し聞かせたエピソードはあまりに有名である。そのためか、ラジー賞では主題歌賞にノミネートされた。
なお、二作目も製作され、キャストには当時「ターミネーター2」で売れっ子だったエドワード・ファーロングが起用されたものの、興行成績は鳴かず飛ばずで、観客・批評家たちから酷評を受けた。
[編集] スタッフ
- 監督:メアリー・ランバート
- 製作:リチャード・ロビンシュタイン
- 脚本:スティーヴン・キング
[編集] キャスト
- Dale Midkiff
- Fred Gwynne
- Denise Crosby
- Brad Greenquist
- Miko Hughes
[編集] 出版
日本では、深町眞理子によって翻訳され、文藝春秋社より出版されている。
- ペット・セマタリー 上巻 ISBN 416714803X
- ペット・セマタリー 下巻 ISBN 4167148048
[編集] 脚注
- ^ ペット・セマタリー下巻「訳者あとがき」より引用
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