留置場
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留置場(りゅうちじょう)とは、警察署の中に設置され、警察に逮捕された被疑者や、勾留状によって勾留された被疑者や被告人を拘禁する施設。留置所(りゅうちじょ)と呼ばれる事も多いが俗称である。 拘禁の目的は、被疑者(被留置者又は被告人)の逃走・証拠隠滅の防止。
留置場に被勾留者を拘禁する制度は代用刑事施設(代用監獄)(刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律第2条に定義)制度と呼ばれる。自白強要や冤罪の温床になるとして、日弁連が廃止を求めたが、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律の成立(2007年に施行される)によりその存続がきまった。
- 一時期は代用監獄を廃止する監獄法改正法案が検討され、警察庁が法務省の説得に応じたものの、日弁連の反対によって法案が廃止された経緯もある。弁護人は刑事弁護だけで生計を立てることが不可能であるため、他業務と並行して弁護も行っている。代用刑事施設は拘置所より場所・時間的に便利な面があるため、廃止された場合に接見に行くことが難しくなるなど、活動に障害が生ずる可能性もある。代用刑事施設のある警察署は、主要な街の中心にあるなど交通の便の良いところにあるうえ、拘置所は都道府県に1~2箇所しかない。(例えば、旭川や稚内など道央・道北地域においては、旭川市から数十キロ離れた名寄市に一箇所あるのみ(旭川刑務所名寄拘置支所)である。)また、拘置所は就寝時間が代用刑事施設より厳しく守られているため、拘置所に収容された場合は深夜に接見することは許されない。この点、代用刑事施設は夜遅く弁護人が被疑者に接見できる。
「泥酔者を保護するために留置場に入れられる。」と勘違いしている人が見受けられるが、泥酔者が入るのは「保護室」(いわゆるトラ箱)で、留置場ではない。留置場は「逮捕された身柄」や、「勾留状によって勾留された身柄」を収容する施設で、泥酔者が留置場に入れられてしまったら、不当な身柄の拘束にあたる。