目加田敏浩
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目加田 敏浩(めかだ としひろ 1970年 - )は、東京都出身の臨床心理技術員、医療系心理職である。一貫して医療臨床における、臨床心理的支援について研究しており、日本臨床心理学会では数少ない若手のホープである。
日本心理臨床学会をはじめとする、現代日本の臨床心理学界で主流である、さまざまな葛藤やひずみを個人の「心」に還元する「心理主義」に対して、批判的立場を取る一方で、日本社会臨床学会などの主張する、社会・状況還元論からも距離をおいている。実質的に「心理主義」が王道の学界内では、中道的なマイノリティであるが、バランスがとれた臨床家といえる。
[編集] 略歴
1992年、東京都衛生局本庁で精神保健行政、エイズ対策行政に従事。その後、精神科病院である医療法人社団根岸病院、医療法人宏和広岡クリニック、東京都保健医療情報センター、東京都精神科救急医療情報センターなどに勤務。
2005年、日本臨床心理学会運営委員に選出され、事務局員、編集委員、精神保健従事者団体懇談会担当委員、心理師国家資格検討小委員会委員などを兼務している。
2006年現在、済生会宇都宮病院医療技術部臨床心理室臨床心理係長。
[編集] 主要論文
- 「デイケアプログラム『編集会議』が生み出したもの」集団精神療法・第17巻第1号・2001
- 「非定型うつ病を伴う月経前不快気分障害にfluvoxamineが著効した1症例」(共著)新薬と臨牀・第50巻第5号・2001
- 「緩和ケア病棟における臨床心理的支援について」臨床心理学研究・第40巻第3・4号・2003
- 「無床精神科外来における集団精神療法の試み」集団精神療法・第19巻第2号・2003
- 「精神科救急医療制度の動向と今後の課題」臨床心理学研究・第42巻第1号・2004
- 「総合病院における小児クライアントへの臨床心理的支援」臨床心理学研究第41巻第3号・2004
- 「医療臨床における『危機介入』とその課題」臨床心理学研究第42巻第3号・2005
- 「『発達障害』と心理臨床」臨床心理学研究第43巻第1号・2005
- 「身体症状を抱えるクライアントへの臨床心理的支援ー心身症とその周辺を巡ってー」臨床心理学研究第44巻第1号・2006
[編集] レポート
- 日本臨床心理学会第40回大会準備会フリートークの会(1)「戦争と心理学」臨床心理学研究第42巻第2号・2004・
では、『「戦争と心理学」を考える』と題して発題・話題提供を行っている。
- 日本臨床心理学会第40回大会準備会フリートークの会(2)「事例検討」臨床心理学研究第42巻第2号・2004・
では、「事例検討を考える」と題して発題・話題提供を行っている。
宇都宮市で起こった知的障害者の誤認逮捕・起訴事件「宇都宮事件」を追った、
- 『「誤認逮捕・起訴」事例を検討する(その1)ー「する側」の「知的障害者」への処遇問題を巡ってー』臨床心理学研究第43巻第2号・2005・
があり今後連載されると思われる。
- 日本臨床心理学会第40回大会準備会・研修委員会合同企画(2)フリートークの会「事例検討」臨床心理学研究第42巻第3号・2005・
では、『「事例検討」を考える(2)』と題して発題・話題提供を行っている。
- 第40回日本臨床心理学会大会<全体会I>臨床心理学研究第42巻第3号・2005・
では、『「する/される側」が共に「事例検討」を行う』と題して発題を行っている。
- 第2回日本臨床心理学会関東委員会報告『新しい事例検討の試みーユーザーにとって、「関わる側の関わりとは?-』臨床心理学研究第43巻第2号・2005・
では、司会と「フリートーク報告」を行っている。
- 第3回日本臨床心理学会関東委員会報告「ACTを考える」臨床心理学研究第44巻第1号・2006・
では、『ACTを考えるー2つの視点からの考察』と題して指定討論を行っている。
- 第4回日本臨床心理学会関東委員会報告「心神喪失者等医療観察法を考える」臨床心理学研究第44巻第2号・2006・
では、コーディネーターとして「フリートーク報告」を行っている。[[Category:1970年生|めかた としひろ