眠らない大陸クロノス
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眠らない大陸クロノス(ねむらないたいりく - )は韓国Lizard社が開発しているMMORPG。日本では株式会社ゲームオンが配給、運営をしている。
2003年4月25日にαテストを開始、正式にサービスを開始したのが同年の10月27日である。2006年3月14日には基本料金の無料化など大幅なリニューアルが行われた。
目次 |
[編集] ストーリー
- クロノス創造~タルタノス戦争
はるか昔、クロノス大陸を創造した3人の神がいた。火のラピス、水のエクシリス、雷のコエリス。彼らはその力によって、それぞれ人々に温かな愛を、冷たい理性を、戒めを与え、クロノス大陸を美しく平和に創り上げていった。
しかし転機が訪れる。2000年に一度、時間と空間の門が開かれる日、「ハローデイ」。開かれた門「ハローゲート」から、異世界の神々、マクアペルやスケイプーといった者達がクロノスの世界にやってきた。始めはクロノス三主神も、クロノスの世界に訪れた異界の神を歓迎した。
しかしマクアペルには、クロノスの世界を我が物にせんという野望があった。マクアペルは異界から持ち込んだ魔石「プリモディウム」の力を使い、クロノスの世界を自己の思い通りに塗り変えようとした。こうしてマクアペルとクロノス三主神との間で激しい戦いが起こる。そしてクロノスの世界で平和に過ごしたいと望んだスケイプーの協力も得て、三主神はマクアペルを封印することに成功した。だが、それと引き換えに三主神はラピスとエクシリスの二人を失う結果となった。
こうして誰しも平和な世が訪れると確信していたが、マクアペルが封印された後には、彼を慕う信望者と、魔石プリモディウムが遺された。そしてそこには、プリモディウムの魔力を研究する教団アクモディウムがあった。教団の五人の指導者「アスモレル」、「ベルキエル」、「タウリエル」、「ジャキエル」、「マタリエル」。彼らは研究を進めたプリモディウムの力を使い、進化し、マクアペルでさえも知らぬ新たな力を得た。そしてその神秘的な力により、封印されたマクアペルをも再びこの世に蘇らせようとした。
これに対し、残された三主神のコエリスのもとに、クロノス大陸の各教団が集結、大陸保護組織「オラクル」を創設する。そして第二次ハローデイによって異界から訪れた、アクモディウムを敵視し、オラクルに協力せんとする「アリエヌス三神」。
これより、アクモディウムとオラクルの間で繰り広げられる、長く激しい戦い「タルタノス戦争」の火蓋が切って落とされた。
- タルタノス戦争終結~シドスの降臨
207年の周期で五期に亘り続いた「タルタノス戦争」であったが、一進一退の攻防を繰り広げた結果、コエリス教団が勝利を収めた。アクモディウム五将軍は倒され、コエリス教団はアクモディウムの勢力を大陸から一掃することに成功した。それから1000年の間、大陸には平和な時間が流れていた。
だがそこに、新たなる招かれざる者が現れた。「シドス」である。彼が一体何者で、どこから来たかは誰も知らない。ただ彼は崩壊しかけ、地底深くに逃げ込んだアクモディウムを支援し、倒れた五将軍さえも復活させた。そして更にはアクモディウムの悲願であった魔神復活をも企んでいたのだった。
マクアペル復活、そしてそれにより再び混沌へと誘われようとしている世界を救わなければならない。かつて繰り広げられた激しい戦い。その戦火の中で、神々の加護を受け生まれた四つの力、「マジシャン」、「パラディン」、「バルキリー」、「ウォリアー」。異形の怪物が出現し、不穏に包まれる大陸に、再び安穏の世を取り戻す勇者は現れるのか、そしてそれは一体誰なのか―――――。
[編集] 特徴
フル3Dという特長を活かし、グラフィックを鮮明にし、操作も簡単に出来る手軽さが評判。また、多数のファンサイトや攻略サイトがあるが、それにも掲載されていないようなデータもある。主なゲームの特徴は下記の通り。
[編集] エンチャントシステム
ある一定のアイテムには「エンチャントストーン」と呼ばれるアイテムを利用して装備アイテムをより上位のものにすることが出来る。しかし、精錬に失敗するとランクが下がったり、アイテムそのもの自体が消えてしまうので注意が必要。
[編集] ユニオンウォー
毎週土曜日に「ユニオンウォー」と呼ばれるいわば陣取り合戦のようなものが行われる。マップの一つであるシティス=テラのサンツスミコ地域が舞台となり、ギルド5つで結ばれたユニオンが支配ユニオンとその場所をめぐって戦う。勝ったほうのユニオンは、来週土曜日までの全マップでの売り物や、マップ間での移動時の料金などの税金を決めることが出来る。
[編集] ペットシステム
有料アイテムの一つとして、成長武器と同じくプレイヤーの経験値を一部吸収して成長する。最大レベルは50。成長武器と違う点は、1時間おきに食料を与えることが必要になるためにやや手間がかかる。ペットのレベルが高くなると、重量に関係なく最大9個のアイテムボックスができる。
[編集] キャラクター
- マジシャン
第一期タルタノス戦争時に、「アリエヌス三神」の一人「知の神コンシルス」が、魔法を知らぬ人間に自らの血を分け与え、魔法を伝授したのが起源とされている。初めは少数の者達が、伝えられた魔法と魔力を維持するために、純血を保ち続けていた。しかし第二期タルタノス戦争において、より多くの後継者を育成しようと「魔法普及論」が持ち上がる。そして大魔法師「エネンデリック=カノン」によって「カノン魔法学校」が開かれる。現在のマジシャン達は、そこで14年間のカリキュラムを修了した者達である。そこでは、世界に存在するあらゆる魔法を徹底的に学び、歴史、哲学、天文学から芸術まで、幅広く深い知識をも習得する。
現状においては、狩りの能力はゲーム内で最弱と言わざるを得ない。特に高レベルになるにつれ、敵のHPの量が大幅に増えてゆくため、マジシャンの魔法では殆ど敵の体力を削れないからである。ただ防御無視のダメージを与えるので(実際は「耐性」があるため、この数値によって軽減される)、防御が高く、HPが少ないという相手には強みを発揮する。だがその為、マジシャンをいたずらに強化するとPvPではともすると最強になってしまうというジレンマに陥ってしまうため、バランスのとり方が非常に難しいとの意見もある。
- パラディン
第三期タルタノス戦争時に、コエリス教団の英雄であった「ザーカリアス=ラーソン」によって設立された騎士団の兵士。起源は、ラーソンの祖「アモス=ラーソン」。彼はカノンの護衛をしていた戦士で、カノンから戦士のための魔法を伝授された。その五代目の子孫にあたるザーカリアスは、その魔法をより完璧なものにしていた。第三期タルタノス戦争においては、コエリス教団はアクモディウムの猛攻に連敗し、危機に瀕していた。プラトゥニス城の英雄であったザーカリアスは、「魔法を使える戦士」による軍隊を設立し、コエリス教団に加勢した。これに分裂していたコエリス教団は勇気付けられ、再び団結し、戦況は逆転。ザーカリアスの命と引き換えになる形になったが、時のアクモディウムの指導者「タウリエル」を倒し、コエリス教団は勝利した。
味方の防御を上昇させる「ホーリーアーマー」、最大HPを増加する「ライフアップ」、攻撃力、命中を上昇させる「エンカレイジ」など、パーティスキルを豊富に持つ。そのため、攻撃力と引き換えに防御力、支援スキルを限界まで特化した「支援パラディン」というスタイルをとるプレイヤーも多い。パーティプレイで支援パラディン無しには狩りすること自体難しい。また逆に攻撃に徹した場合も、侮りがたい能力を発揮する。4種中、最もオーソドックスなキャラクターといえる。
- ヴァルキリー
第一期タルタノス戦争時に、アクモディウム指導者「アスモレル」が封印された地「バルキリー島」。彼らはその島の古くからの住人であったらしいことが分かっている。彼らは太古からクロノスの世界に住んでおり、アクモディウムによるクロノス大陸の支配と、プリモディウムによる魔神マクアペルの復活により、大陸が不安定になることを憂いていた。彼らの血にある使命は、「世界の均衡を保つ」ことであった。第五期タルタノス戦争において、アクモディウムにコエリス教団が倒され、今まさに魔神復活の儀式を執り行おうとしたアクモディウムをバルキリーの集団が襲った。彼らはその俊敏な動きで瞬く間に兵士達を殺害し、プリモディウムを奪取した。そしてバルキリー達は、魔石を溶岩の中に封印したのだった。
伝説に違わぬ強力な攻撃力を持つキャラクター。パーティプレイではバルキリーがメインの火力として参加する形が多い。また、味方の攻撃力を大幅に上昇させるスキルも習得できるため、パーティには欠かせない存在である。手軽に大きな攻撃力が得られる点で、かつては多くのプレイヤー達が、他のキャラクターからバルキリーに乗り換えた時期があった。また命中、回避力ともに極めて高い。弱点としてはHPが極めて低いため、モンスターとの戦いでしばしば即死させられることも。またPvPでは必中であるマジシャンの魔法が最大の脅威となる。
- ウォリアー
起源は第一期タルタノス戦争時にさかのぼる。アクモディウムは、新しく得た力により人体の改造を行っていた。その中で、ひときわ体の大きい試作体が出来上がった。それらは周囲のエネルギーを自らの体内に蓄積させ、強力な物理攻撃を編み出すことが出来た。詳しい経緯は不明だが、アクモディウムはこの試作体を捨ててしまう。「アリエヌス三神」のひとり、「軍神バルデウス」がそれを拾い、自らの血を分け与え、その血と自ら与えた血が融合するまで、周辺の地域に結界を張り、これを守った。それから彼らは600年の間、苛酷な環境で耐え抜き、一族を形成していた。これが「ウォリアー」達であった。第二期タルタノス戦争時、プリモディウムの魔力により張られた結界が破られると、力を蓄えていたウォリアー達は一斉に動き出し、アクモディウムの将兵を襲った。これは、バルデウスがウォリアーの基となった試作体に自らの血を分け与えると同時に、「アクモディウムを敵視するように」と暗示をかけていたからであった。ウォリアーの参戦によりコエリス教団は大いなる力を得ることになる。
敵の攻撃力を下げる「パワーブレイク」、敵の防御力を下げる「シャウトオブアングリー」、気絶させる「スタン」、他にも防御力や最大HPを上昇させるスキルや、攻撃力を永続的に上昇させるスキルがあるなど、戦闘面でのエキスパートと言える。そういったスキルを豊富に持っているため、高レベル向けのエリアでもパーティに依存することなく、全キャラクター中最もソロプレイがやりやすい種族。また単体攻撃では「シャターモンスター」、範囲攻撃では「バーサーカーアタック」があり、いずれも攻撃力が高い。序盤から中盤では、マジシャンやバルキリーに攻撃範囲、攻撃力の面で劣るが、高レベルになるにつれ強さを発揮する。現状では体力、攻撃力など総合的に判断してウォリアーが最強のキャラクターと言える。
[編集] 問題点
- 基本料金は無料になったものの、引退をしていくプレイヤーも後を絶たない。また、ゲーム内での必需品だったものが課金アイテムになり、現金を払わなければ購入できなくなった。
- 希少性の極めて高い成長武器だが、完全体にするにはさらにもう一本の成長武器が必要となり、確率も30%と低い。課金制アイテムである「マーメルストーン」を使用しても、確率は50%である。ちなみに完全体への進化に失敗すると、生贄を残して今まで使っていた成長武器が消失してしまう。レベル90以降のMAPではこの完全体の装備が半ば前提となっている。問題としては、成長武器以外の武器の選択性の低さや、それらを使用することによる極端なレベル上げ等の効率の低下である。
- 2006年に入ってから顕著であるが、ゲーム内経済のインフレの進行が激しい。特に希少性の高い成長武器や、高レベル向けのアイテムの値上がりが顕著である。昨年の同時期に比べて、値段が10倍から20倍以上に跳ね上がっているものもある。原因としては、
などが挙げられる。運営側もこれらへの対処や、新たなシステムの導入の検討、ボスモンスターを単体で倒すことが出来ないよう入場可能レベルに上限を設けるなどを行ったが、いまだにインフレの解消はされていない。
[編集] その他
- 2006年4月28日にGyaoのテレビ番組にて眠らない大陸クロノスが紹介された。その当時日本韓国ともにたどり着いたものがいない「カノンの図書館」ダンジョンの29F(最上階の一歩手前)を公開した。
- やまだひさしのラジアンリミテッドDXとクロノスの連動企画があった。
[編集] 外部リンク
- 日本公式サイト 株式会社GameOnによるクロノス公式ページ
- CRONOUS TRADE:クロノストレード ゲーム内アイテムの取引等を含む総合的なサイト
- 韓国公式サイト