社員食堂
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社員食堂(しゃいんしょくどう)とは、社食(しゃしょく)とも略される、企業などの給食施設のこと。
近隣に飲食店などが少なかったり、勤務時間が不規則であるなど、社員や職員など関係者の食事に便宜を図る必要のある事業所に設置される。その他に、福利厚生施設としての見地から、休憩室や談話室、あるいは社内行事の会場としての性格を持たせることも多い。
[編集] 概要
学生食堂と同様に、基本的に関係者のみが利用する福利厚生施設であるため、若干安めの価格設定が一般的であるが、一般の飲食店と殆ど価格差がない事例もよくみられる。また、勤務時間内の食事は食堂に限っている企業もあり、その場合には、賄い費として給与の中から天引され、企業が発行した食事券を社員などに支給して、それを食事する際にそれを交換する方式をとる事が多い。
かつて多くの社員食堂は、短時間の間に大量の給食を行なわねばならず、数種類のメニューなど、選択肢が少なく、内容もそれほど期待できるものとはいえなかった。しかし、近年は、カフェテリア方式を採用したりするなどして、質の改善を図る企業が増えている。
さらに、会計の効率化を図るために、キャッシュレス方式を採用したり、食器にRFIDを埋め込み即時に料金計算を行うなど、種々の工夫を図る企業も現れている。
食堂の運営は、設置する企業の一部門が間接部門として行うことがあるものの、外食業者が社員食堂を受託するコントラクトフードサービス契約による運営に移行しつつある。
高層ビルに企業が集積される傾向が顕著になると、飲食店の乏しいオフィス街ではケータリングなどの仮設店舗による弁当販売が食の不足を補うことがあるが、総合的な都市開発の一環として、事業所周辺に外食企業やコンビニエンスストアなどの商業施設を誘致するなど、独自の社員食堂をあえて持たなくとも足りるように設計されたオフィス街も多く見られるようになってきた。