福神漬
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福神漬(ふくじんづけ、「ふくしんづけ」と呼ぶ地方も)は、漬物の一種で、ダイコン、ナス、ナタマメ(鉈豆)、レンコン、キュウリ、シソの実、シイタケまたは白ゴマなどの7種の野菜類を細かく刻み、醤油と砂糖やみりんで作った調味液で漬けたもの。
明治時代初頭、東京・上野の漬物店「酒悦」第15代野田清右衛門が、様々な野菜を醤油で漬けた漬物を考案し、自分の経営する茶店で売り出したところ評判になり、いろいろな野菜が入っていること、また店が上野不忍池の弁財天近くにあったこと、更には「ご飯のお供にこれさえあれば他におかずは要らず、食費が抑えられ金がたまる(=家に七福神がやってきたかのような幸福感)」という解釈から、作家の梅亭金鵞が七福神にちなんで福神漬と名づけた。
日本においてカレーライスに添えられるもっとも定番の漬物だが、これは大正時代に日本郵船が周航していた欧州航路客船で、一等船客にカレーライスを供する際に添えられたのが最初であり、それが日本中に広まったとされる。福神漬けが赤くなったのは、このときにチャツネに倣ったという説がある。
市販品では、人工着色料などを使って真っ赤な色をつけられたものが多かったが、近年では色をつけない茶色の福神漬けが好まれている。