秋篠宮文仁親王
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秋篠宮文仁 親王(あきしののみや ふみひと しんのう、1965年(昭和40年)11月30日 - )は、日本の皇族。今上天皇と皇后美智子の第二皇男子で皇位継承第2位。妃は紀子。悠仁親王、眞子内親王、佳子内親王の父である。徳仁親王は兄、黒田清子は妹。 幼少時の称号は礼宮(あやのみや)。 印は栂。勲等は大勲位。学位は家禽のニワトリの起源を遺伝子に基づき解析した研究により総合研究大学院大学より理学博士を取得している。その他、称号として2003年までに海外の大学より6つの名誉博士号を贈呈されている。皇室典範に定める敬称は殿下。妹の夫である黒田慶樹は学習院時代からの友人である。霊元天皇から始まる有栖川流書道の伝承者でもある。
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[編集] 来歴・人物
1990年(平成2年)6月29日に学習院大学教授川嶋辰彦の長女・紀子と結婚し、秋篠宮家を創設。この結婚は挙式の前から大々的に報道された。 秋篠宮の宮号は父である今上天皇から賜ったもので、皇室の故地である奈良市の地名秋篠に由来する。
山階鳥類研究所総裁、日本動物園水族館協会総裁、世界自然保護基金ジャパン名誉総裁、日本テニス協会名誉総裁、日蘭協会名誉総裁。
鳥類や両生類、ナマズの研究者としても著名で、タイ王国の王室とも交流が深い。現在では1ヶ月に一度程度の頻度で東京農業大学の関連団体である進化生物学研究所で研究活動を行っており、東京農業大学が主催する学会にも参加しているという。 また、生き物文化誌学会の設立に尽力。現在同学会常任理事。
同学会誌『生き物文化誌 BIOSTORY』の編集委員でもある。「生物」ではなく「生き物」としたことには、カッパなどの伝説上の生物も含む意味合いを込めている。
1995年9月、カセートサート大学から名誉博士号(水産生物学)、ブーラパー大学から名誉博士号(理学)、1999年7月にコーンケーン大学から名誉博士号(水産学)、2001年8月にはシーナカリンウィロート大学及びチュラーロンコーン大学から名誉博士号(理学)、そして2003年8月には、ウボンラーチャタニー大学から名誉博士号(理学)が贈呈された。2007年3月にもキングモンクット工科大学から名誉学位を授与される予定が報じられている。
近年では紀子妃とともに公務に精励しており、積極的に国内外各地を訪問している。40歳の誕生日を控えた2005年11月22日には記者会見において「皇室の役割は天皇をサポートすること」との発言も残している。この折にはまた、各国王族との交流を通じ、公務について模索しているという旨の発言、妹婿である黒田慶樹への信頼を語る発言もあった。天皇皇后との関係も良好、国民からの人気もきわめて高い。
2006年2月7日、妃・紀子が第三子を懐妊との情報が宮内庁より発表された。9月6日午前8時27分、皇族では初めてとなる帝王切開により、身長48.8cm・体重2558gの第一男子・悠仁親王が誕生した。男子皇族の誕生は文仁親王以来41年ぶりであり親王が手術後、紀子妃に簡潔ながら愛情深い言葉をかけ労ったことが報じられた。
同年11月1日には日本人移住七十周年を祝うため、若宮降誕のため訪問が延期されていたパラグアイを訪問し、ABCなど地元大手紙でも大きく報道された。親王到着の当日には、国中から多数の日系人が首都アスンシオンに集まり、親王を歓迎した。同国最初の日本人移住地であるラ・コルメナ(昭和11年入植)はじめ親王が訪れた各地では盛んに歓迎のセレモニーが行われ、拝謁した日系人たちは口々に喜びの声をあげていた。アスンシオンでは中央市場を訪問し、盛んに質問をするなど、東北巡幸に際して先帝昭和天皇が見せた気遣いを髣髴とさせる水産業や農業への関心の深さも見せた。
[編集] 逸話
- 礼宮時代には先帝昭和天皇に最も慈しまれた。天皇のひざの上は礼宮時代の文仁親王の指定席であったというエピソードが残る。また昭和天皇に苦言を呈されたエピソードも伝わるが、内容は「ヒゲを何とかしろ」という微笑ましいものであった。このときは明仁皇太子と美智子皇太子妃がとりなして、結局認められている。
- シートン動物記を愛読した。
- 守り刀は重要無形文化財保持者である高橋貞次から献上されている。
- 紀子妃へのプロポーズは、学習院大学付近の横断歩道の信号待ちをしている間に行ったことが大変有名。
- 成婚を祝う記念番組の一部としてアニメ作品「平成のシンデレラ 紀子様物語」も製作・放映(フジテレビ系、秋篠宮夫妻の声は同局の笠井アナウンサーと石川秀美が担当した)されているが、不敬を誘発する可能性があるため二次利用は一切禁止された。
- 私邸において茶会を催し、妹の清子内親王(当時)と友人である黒田慶樹の出会いのきっかけを作ったことが知られている。
[編集] 著書
家禽関係の著書がある。
- 『欧州家禽図鑑』(共著。写真と解説を執筆),1994年, ISBN 4582518133
- 『鶏と人―民族生物学の視点から』,2000年, ISBN 4096260622
関連書
- 『秋篠宮さま』(毎日新聞社)
[編集] 備考
政府による正式表記(内閣告示や宮内庁告示など)では皇族に宮号が冠されることはない(「皇太子」を除く)ため、それらの告示が掲載される官報での表記は「文仁親王」とされ、「秋篠宮」が冠されることはない。ただし、同じ政府による表記であってもホームページなど「国民一般へのわかりやすさ」が重視される場面では「秋篠宮」の表記も用いられる。