移動式クレーン運転士
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移動式クレーン運転士(いどうしき - うんてんし)とは、日本において、労働安全衛生法に定められた国家資格(免許)の一つであり、移動式クレーン運転士免許試験(学科及び実技)に合格し、免許の交付を受けた者をいう。 なお、一定の規模以下の移動式クレーンについては、技能講習又は特別教育を受けることで運転・操作することが可能となっており、それらの講習等を修了した者を指して言う場合もある。
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[編集] 概要
- クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)に定める移動式クレーンを運転・操作する上で必要な資格である。
- この免許は、事業場(作業現場等)での運転・操作のためのものであって道路交通法上の運転免許ではないため、公道を走行するには当該移動式クレーンの道交法上の区分に応じた各種の自動車運転免許が別途必要となる。
[編集] 区分
- 移動式クレーン運転士免許
- 吊上荷重5t以上を含め全ての移動式クレーンを運転・操作することができる。
- (以下のものについては、技能講習・特別教育で運転資格が得られるので運転士とはいわないことが多い。また免許ではない)
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- 吊上荷重1t以上5t未満の移動式クレーンを運転・操作することができる。
- 移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育
- 吊上荷重0.5t以上1t未満の移動式クレーンを運転・操作することができる。
※法令上、つり上げ荷重0.5t未満の移動式クレーンの操作には上記資格は不要であるが、労働者の安全衛生上は取得しておくのが望ましいとされる。
[編集] 移動式クレーンの種類
- 陸上移動
- トラッククレーン
- トラッククレーン
- 積載形トラッククレーン
- レッカー型トラッククレーン
- オールテレーンクレーン
- ホイールクレーン
- ホイールクレーン
- ラフテレーンクレーン
- クローラクレーン
- 鉄道クレーン
- クレーン機能を備えた車両系建設機械
- トラッククレーン
- 水上移動
- 浮きクレーン
[編集] 受験資格
- 誰でも受験可能だが、免許交付は18歳以上。
[編集] 免許試験
- 免許試験は全国の安全衛生技術センターにおいて行われる。実技教習は都道府県労働局長登録教習機関において行われる。
- 試験のうち、学科は安全衛生技術センターで受験しなければならないが、実技についてはセンターで実技試験を受けるコースのほか、登録教習機関で「移動式クレーン運転実技教習」を修了するという選択肢も認められている。
- また職業訓練校のうち、ポリテクセンター関西(関西職業能力開発促進センター)大阪港湾労働分所の港湾荷役科、ポリテクセンター名古屋港(中部職業能力開発促進センター名古屋港湾労働分所)の港湾荷役科の修了により免許試験は免除され、申請により免許が付与される。
[編集] 免許試験科目
- 学科
- 移動式クレーンに関する知識
- 原動機及び電気に関する知識
- 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
- 関係法令
- 実技
- 移動式クレーンの運転
- 移動式クレーンの運転のための合図
[編集] 移動式クレーン運転実技教習科目
- 移動式クレーンの基本運転
- 移動式クレーンの応用運転
- 移動式クレーンの合図の基本作業
[編集] 技能講習
- 技能講習は都道府県労働局長登録教習機関において行われる。
- 既所持の免許・修了済みの他の技能講習の有無などにより所要時限数が異なるが、クレーン運転士免許や玉掛け技能講習修了証を持っている場合は16時間。
[編集] 技能講習科目
- 学科
- 小型移動式クレーンに関する知識
- 小型移動式クレーン運転技能講習に係る原動機及び電気に関する知識
- 関係法令
- 実技
- 小型移動式クレーンの運転
- 小型移動式クレーンの運転のための合図
[編集] 特別教育
- 特別教育は各事業所(企業等)又は都道府県労働局長登録教習機関において行われる。
- 告示で規定された履修時間は13時間(以上)となっている。
[編集] 特別教育科目
- 学科
- 移動式クレーンに関する知識
- 原動機及び電気に関する知識
- 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
- 関係法令
- 実技
- 移動式クレーンの運転
- 移動式クレーンの運転のための合図