程一彦
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程 一彦(てい〈本名:根本〉 かずひこ、男性、1937年12月14日 - )は中華料理人・研究家(薬膳・台湾・香港系)。大阪府出身。「台湾料理・龍潭(リュータン)」オーナーシェフ。関西中華料理界の重鎮。
[編集] 経歴
追手門学院中学、灘高校、関西学院大学卒業。貿易業を経て、1961年から台湾・香港で1年間修行後、一家が経営する「台湾料理・龍潭(リュータン)」の二代目オーナーシェフとなる。
『料理の鉄人』(フジテレビ系)で、「中華の鉄人」である陳建一にタコ対決で勝利し、番組史上初めて鉄人を破った事はあまりにも有名である。「和の鉄人」道場六三郎同様に、最初にお品書きを書いてから料理を始めた。違う方向を見ながら食材を切る「よそ見包丁」という特技も披露(周りの進行状況を確認するため)。試食の際、審査員へ「陳さんには、悪いことしましたわ」と、自身が扱い慣れている食材だった事から、扱い慣れない陳へ配慮するコメントを残している。
「料理は攻守二面がないとダメ」と発言し、中華料理以外にも、日本料理やフランス料理といった料理全般に深い造詣を持っている。また、NHKの「きょうの料理」では講師を務めるなど、テレビをはじめとするマスメディアに多数出演し、講演を行うなど、幅広い活動を続けている。特に、関西での知名度は神田川俊郎と並んで高い。2人は料理のジャンルは違えど、懇意の仲である。
中華のジャンルとしては台湾・香港系であるが、彼の代名詞はなんと言っても「薬膳」であり、第一人者。著書も多い。また、早くから、いわゆる「食育」を薦めていた。
- 食材本来の味を十分に引き出す方法として、中華料理人にありがちな鍋や食材を激しく扱うことを避け、優しく扱うことを提唱している。
- チャーハンの作り方で『あらかじめご飯は溶き卵の中に入れて絡める』という方法を紹介したのは氏の研究の成果であり、現在では特に一般家庭でポピュラー化している。
- 『程さんのヤキメシの素』に代表される自身のプロデュースによる製品を商品化するなど、本格的な中華を身近にしていく活動を進めている。
- 「出来合いのものでも、何らかの手を加えてあげてください。健康面でも、精神面でも重要なことです」というのが氏のスタンスである。
- 学生時代は、コーラス部だった事もあり、たまに店内のステージで自慢の歌声を披露することもある。
- 温厚な人柄だが、修行には厳しい面がある。「愛の貧乏脱出大作戦」で、ビーフン修行の達人として、修行者を叱咤する一面も見られた。