端脚類
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?端脚目(ヨコエビ目) Amphipoda | ||||||||||||||||
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A hyperiid amphipod |
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分類 | ||||||||||||||||
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亜目 | ||||||||||||||||
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端脚類(たんきゃくるい)は、甲殻綱・フクロエビ上目に属する分類群の名称で、ヨコエビ、タルマワシ、ワレカラなどが分類される。分類学的にはヨコエビ目(端脚目 Amphipoda)と呼ばれる。
[編集] 概要
1万種類以上が知られる大きなグループで、熱帯から極地まで世界中に分布する。ほとんどが海産だが、淡水域や湿った陸上、地下水中までも進出している。個体数も多く、プランクトンやベントス、土壌動物として、かなりの割合を占めている。
体長は数mmから数cmまで、種類によって差がある。体は多くの節に分かれ、それぞれの関節に1対の脚をもつ。複眼は体に対して小さく、深海や地下水にすむ種類では退化している。脚は2対の顎脚と5対の歩脚からなる。
オスの顎脚はセミの幼虫の前脚のように太い。いっぽうメスの腹部には保育嚢(ほいくのう)という卵を抱える器官があり、ここで卵を保護する。生まれた子どもは小さいながらも親とほぼ同じ形をしている。
食性は種類によって異なり、プランクトンや生物の死骸、デトリタスなどを食べるが、他の生物に寄生するものも多い。いっぽう、敵は刺胞動物や魚類、鳥類など多岐にわたる。
食物連鎖の下位ながらも、生物の死骸や糞を食べる分解者として、また他の動物の餌として重要な位置を占める。人間にとって直接の利用価値はほとんどないが、自然界で果たす役割は大きい。
[編集] 分類
さまざまな生息環境で、それぞれに適応した生活形態をもつ。
ヨコエビ亜目 Gammaridea
- 100近い科が知られ、端脚類の中でもっとも多様化したグループといえる。海域はもちろん淡水域や湿った陸上、地下水などあらゆる環境に適応している。
クラゲノミ亜目 Hyperiidea
ワレカラ亜目 Corophioidea
インゴルフィエラ亜目 Ingolfiellidea
- 細長い体型をしている。海水、汽水に生息するが、地下水にもすんでいる。