累乗数
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累乗数 (るいじょうすう)とは、他の自然数の累乗になっている自然数、 すなわち、mk(m, kは自然数でk≥ 2)の形の数を指す。
累乗数は小さいほうから順に 1, 4, 8, 9, 16, 25, 27, 32, ...となる。
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[編集] 累乗数の性質
4を法として2と合同ではない数は2つの累乗数の差として表される。実際、(n+1)2-n2=2n+1, (n+2)2-n2=4n+4が成立する。
また、2=33-52, 10=133-37など、4を法として2と合同な数に関しても累乗数の差として表せる場合があることが知られている。6, 14, 34などがそのように表せるかどうかは知られていない。
差が1となる累乗数の組は(8, 9)のみであると、1844年にカタラン(Eugène Charles Catalan)によって予想されたが、2002年にPreda Mihăilescuによって証明されたとしている。
一般に、累乗数を小さいほうからa1=1, a2=4, ...と並べるとき、ai+1-aiはiと共に無限大に発散すると予想されている(Pillai)。この予想は、任意の自然数aに対して方程式xn-ym=aは有限個の自然数解(x>0, y>0, m≥ 2, n≥ 2)しかないことと同値である。Chudnovskyはこれを証明したと主張したが、本当に証明されたのかは不明である。エルデシュはai+1-ai> icとなる正の定数cが存在すると予想している。
方程式xn-ym=a(aは与えられた自然数, x>0, y>0, m≥ 2, n≥ 2)はaのほかにもう一つの変数を固定すれば、有限個の解しか存在しないことが知られている。m, nのいずれかを固定した場合には、SchinzelとTijdemanの一般的な不定方程式ym=P(x)に関する結果から従い、x, yのいずれかを固定した場合には一般の線形循環数列に関するShoreyとTijdemanの結果から従う。
3,7,8,15・・・など、(1を除く)累乗数から一を引いた数の逆和は、1になる。 すなわち,
これは、ゴールドバッハの定理と呼ばれている。
[編集] 参考文献
Section D9 in Richard K. Guy, Unsolved Problems in Number Theory, 3rd edition, Springer-Verlag, 2004.
T. N. Shorey and R. Tijdeman, Exponetial Diophantine Equations, Cambridge Tracts in Mathematics, 87, Cambridge University Press, 1986.
P. Mihăilescu, "Primary Cyclotomic Units and a Proof of Catalan's Conjecture." J. reine angew. Math. 572 (2004), 167–195.
[編集] 外部リンク
- Ivars Peterson's MathTrek
- Metsänkylä, Tauno (2003). Catalan's conjecture: another old Diophantine problem solved, Bull. (New Ser.) Amer. Math. Soc. 41 (1), 43–57.