絵具
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絵具(えのぐ)は絵を彩色するために使われる画材。ふつう色のついた粉末である顔料と、顔料の粒子を固まらせて画面に付着させる役割をもつ媒剤から成り立つ。
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[編集] 絵具の種類
[編集] 水性の絵具
水溶性の媒剤が使われており、乾燥した後も水に溶ける。その性質を利用して、固形水彩絵具や顔彩のような固形の絵具も作られている。
- 膠絵具(デトランプ)
[編集] 乳濁液による絵具
乳濁液には油の中に水性の粒子が分散したWO乳濁液と水の中に油性の粒子が分散したOW乳濁液がある。水で希釈できるOW乳濁液の場合、取り扱いかたは水性の絵具に近いが、乾燥後は化学変化によって溶けなくなる。
- 卵、カゼインなどによる乳濁液を媒剤とする絵具。
- アクリル絵具
- 20世紀に入って登場した合成樹脂、アクリル樹脂エマルションを媒剤とする絵具。
漆の樹液は油性の成分中に水分が分散したWO乳濁液になっている。酸化酵素の作用により主成分ウルシオールが皮膜をつくり硬化する。
- 彩漆(いろうるし)
- 彩漆は漆に顔料を混ぜたもの。
[編集] 油性の絵具
- 空気中の酸素と結びつくことで化学変化して皮膜をつくる乾性油を媒剤に用いた絵具。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- マックス・デルナー著、ハンス・ゲルト・ミューラー改訂、佐藤一郎訳『絵画技術体系』、美術出版社、1980年10月、ISBN 4568300347
- 佐藤一郎著、『絵画技術入門』、美術出版社、1988年11月、ISBN 4568321468