聖職者
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聖職者(せいしょくしゃ)とは、宗教上重要な地位に就いている人間のことである。また比喩的には、教職など、一部の清廉高潔とされる職業に従事している人間を指す場合もある。
[編集] 宗教上の聖職者
信奉する宗教において、生活の大半を教義や信仰のために送る人間のことを指す。たいていの場合は、各宗教により特別な地位や呼び名がつけられている。(キリスト教における司祭や、仏教における僧正など。)
ある宗教に対して信仰心が厚いだけでは、聖職者とは呼ばれない。この場合は、どれほど熱心であったとしても、信者と呼ばれる。これに対し、宗教で定められている規範に則り、その宗教を深く信仰することを誓約した場合(主に入信、入門と呼ばれている)、その宗教を信仰する上での基本的な知識や作法を学ぶことになる。この課程を修了して、各宗教団体内で認められ、一定の地位または呼称を授与されてから、はじめて聖職者と呼ばれるようになる。
例外的に、宗教団体から階級の授与がなされていない者や、破門を受けた者の場合であっても、多くの人からの尊敬を集めるような善行をたくさん行っている人間であれば、聖職者と呼ぶ場合もある。
[編集] 職業上の聖職者
宗教とは関連しないものの、その活動自体に公益性が高く、尊敬に値する職業に就いている場合に、その人間を聖職者と呼ぶ場合がある。ただし最近では、マスメディアによる汚職やスキャンダルなどの報道をうけて、宗教以外の職業に従事する人間を聖職者と呼ぶことは少なくなってきている。