衆愚政治
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衆愚政治(しゅうぐせいじ)とは、有権者がおのおののエゴイズムを追求して意思決定する政治状況を指す。民主主義を揶揄して用いられる言葉である。
利益誘導や、地縁・血縁で意思決定をする有権者があとを絶たない状況では、的を得た揶揄とされる。
プラトンは、民主主義は衆愚政治に陥る可能性があるとして、独裁制の妥当性を主張した。
アドルフ・ヒトラーも、ヴァイマル憲法による民主制が政局の混乱と国内の経済低迷を招いているとして、これを衆愚政治と捉え、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)による独裁制を民主的に樹立した。
一方、イギリスの政治家ウィンストン・チャーチルは独裁制への魅力を戒め、「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」と述べた。