親衛隊中佐
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親衛隊中佐(しんえいたいちゅうさ) とはドイツ語の SS-Obersturmbannführer の訳語の一つである。英米の研究書では訳さず原文を用いるが、敢えて訳す場合には陸軍の階級呼称を利用して SS-Lieutenant Colonel (SS中佐)と訳される。日本語では逐語訳して親衛隊上級突撃大隊長、あるいはSS上級大隊指揮官と訳される場合があるが、実際に突撃隊でもなく、大隊を指揮する部隊長でない場合が多く、表意文字文化に慣れた読者を混乱させる。当時の前線の武装親衛隊の将兵は、もったいつけた本来の階級の呼称より陸軍の階級の前にSSと付ける方を好み、またドイツでも最近の研究書では陸軍の階級呼称を併記している。
また、Obersturmbannführerはナチ党の組織に共通する階級呼称であり、SA-Obersturmbannführer、あるいは NSKK-Obersturmbannführerという応用もある。突撃隊中佐、SA中佐、NSKK中佐である。
[編集] 知られている親衛隊中佐
- オットー・スコルツェニー (幽閉されたムッソリーニの救出者)
- アドルフ・アイヒマン (国家保安本部 秘密警察局 ユダヤ人課長)
- ルドルフ・フェルディナント・ヘス (アウシュヴィッツ強制収容所々長)
- パウル・カレル (「バルバロッサ作戦」の著者として有名な戦記作家)