親衛隊特務部隊
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親衛隊特務部隊(しんえいたいとくむぶたい、独: SS-Verfügungstruppe, 略号:SS-VT)とは、ヒトラー政権獲得後に親衛隊に常設が許された準軍事組織の特別部隊の名称である。後に大きく膨張する武装親衛隊の前身である。日本語には SS 執行部隊、SS 戦闘部隊、あるいはSS 実行部隊とも訳される。
[編集] 沿革
1934年9月24日、ヒトラーは SS-VT と称する常設の武装部隊を親衛隊の中に編成することを国防三軍に通達した。この親衛隊特務部隊は既存の SS-Sonderkommando と Politische Bereitschaten から編成されるとし、三個連隊の兵力規模に限定する。更に部隊はナチス党指導部の護衛としての役目を有するとした。
同日、国防省 (Reichskriegsministerium) は次のように規定してその存在を認めた。『総統の決定に基づき、親衛隊は三個歩兵連隊、一個通信大隊、一個工兵大隊の常設兵力を保有する。同部隊は親衛隊全国指導者ハインリッヒ・ヒムラーの指揮下にあり、平時にあっては国防軍に組織として独立するが、戦時にあっては親衛隊特務部隊は国防軍の指揮下に入るものとする。如何なる型式で組み入れるについては国内政治状況およびこれら親衛隊武装部隊の軍事能力の達成度に応じて決定されることとする。平時にあっては同部隊は国防大臣の指示に基づき軍事行動の訓練に専念し、訓練にあたっては国防大臣に従うものとする。』