読み切り
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読み切りは日本漫画雑誌への掲載の形式で、掲載雑誌のその号で完結する話の形式を言う。「続き物」の反対概念である。「連載」とは反対概念ではない。
日本における漫画は、2系統有った。
- 雑誌に連載する形式。まとまれば、単行本化されることが多い。
- 初めから単行本として出版される形式。
漫画文化の初期の貸本が盛んな段階においては後者が多かったが、前者も「少年倶楽部」などに連載するものが有った。しかし、現代の漫画出版状況では、後者は特別な画集のようなものに限られ、ほとんど全ての漫画は雑誌掲載の形式即ち前者を採っている。雑誌は週刊(毎週1回出る)か月刊(毎月1回出る)が普通であるが、このとき、一つのタイトルの漫画が基本的に毎回掲載される場合「連載」と呼ぶ。このとき1回分で話が完結せず、「つづく」と次回へ引っぱる形式の物を「続き物」と呼ぶ。それに対し、1回分で話が完結する形式を「読みきり」と呼ぶ。
お笑い系のギャグ漫画・コメディー漫画は、「読みきり」の形式を採ることが多い。それに対してストーリー漫画と呼ばれる物語性を重視した漫画は長編になるため1回では終わらせることができず、いきおい「続き物」となる。これは、漫画という一種の活字の娯楽が普及する前の、講談・怪談話などが「続き物」の形式をとっていたことの名残だという見方もある。