赤しゃぐま
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赤しゃぐま(あかしゃぐま)は、四国に出没するとされる妖怪。赤シャグマとも表記される。
同じ四国でも、地方によって行動や伝承が異なる。
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[編集] 特徴
外見は赤い髪の子供のような姿。各伝承に共通しているのは人家に住み着く点であり、座敷童子の仲間とする説もある。
[編集] 地域別の伝承
- 愛媛県(伊予)での例
- 徳島県(阿波)での例
- 金比羅宮の奥の人家に住み着いていたとされる。夜になると仏壇の下から現れ、眠っている住人の足をくすぐるなどの悪戯を働く。
- かつて「化け物が出ると」と噂される古い一軒家があり、誰も住もうとしない中、ある老婆がその家を買って自宅とした。しかし夜になると噂通り赤しゃぐまが現れ、老婆をくすぐって悪戯した。老婆は結局、その家を立ち退いたという。
- 香川県(讃岐)での例
- 徳島の例と同様に香川でも、赤しゃぐまは夜中に人の足をくすぐると伝えられている。また香川の赤しゃぐま独自の特徴としては、家の中のみならず野外でも赤しゃぐまが現れるとする説があり、山中で大声を張り上げながら空を飛ぶともいう。
- 三好郡の足代村のある家で、住人たちが夜寝た後、赤しゃぐまが現れて彼らをくすぐり、住人たちはすっかり疲れてしまった。翌日、その家の1人の男が畑仕事に出たところ、そこに赤しゃぐまが立っていた。それを見た男は、家へ駆け込むなり気絶してしまったという。
- また仲多度郡満濃町では、山中の赤しゃぐまに関する逸話もある。とある若者が仕事に雇われたものの、雇い主は若者を遊ばせておくだけで、若者は仕事がないことを不思議に思っていた。そんなある日、1人の村人が亡くなった。雇い主は墓をあばき、その屍を若者に運ばせて山へ行き、屍を餌にして赤しゃぐまをおびき寄せ、射止めたという。