趾 (鳥類)

趾（あしゆび）とは、鳥類特有の足のつま先に該当する部分である。

鳥類の趾では、第5趾が完全に退化しており、基本は4本の趾を持つ。

第1趾が後方を向く形が多く、これは木の枝を掴む際に好都合な形状をしている。この場合を三前趾足（さんぜんしそく) と呼ぶ。

それぞれ第1趾(後趾)、第2趾(内趾)、第3趾(中趾)、第4趾(外趾)の様に別称がある。

なお、ダチョウ目のエミューでは、第1趾が退化して三趾となっており、ダチョウではさらに第2趾が退化して二趾（第3趾、第4趾）となっている。

[編集] 水鳥の趾

水鳥では水面あるいは水中で推進力を得るために、趾に蹼（みずかき)もしくはヒレがあるものが多い。前者を蹼足（ぼくそく）、後者を弁足（べんそく)と呼ぶ。これらには以下の区分がある。

（かきかけ）

地上生活の鳥、樹上生活の鳥、また空中生活の鳥(アマツバメ類)の様に、各鳥の生態によってそれぞれ適応した趾を持つ。

三前趾足: （さんぜんしそく) 第1趾が後方を向き、第2趾・第3趾・第4趾が前方を向く。最も事例が多い形態。スズメ目、ミサゴを除くタカ目など。
皆前趾足: （かいぜんしそく）全ての趾が前方を向く。アマツバメ類、アブラヨタカ類。
合趾足: （ごうしそく) 前方の第2趾・第3趾・第4趾が基部で合着する。ブッポウソウ目。
対趾足: （たいしそく、ついしそく）趾のうち2本が後方を向き、2本が前方を向く。フクロウ類・カッコウ類・オウム類・ミサゴでは第1趾・第4趾が後方を向き、第2趾・第3趾が前方を向く。
変対趾足: （へんたいしそく、へんついしそく）対趾足のうち、第1趾・第2趾が後方を向き、第3趾・第4趾が前方を向くもの。キヌバネドリ類のみ。