辰巳用水
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辰巳用水(たつみようすい)は、石川県金沢市を流れる約16kmの用水路。三代加賀藩主前田利常の命により1632年板屋平四郎が完成させたといわれている。
犀川上流の金沢市上辰巳より取水し、約4kmの導水トンネルを経て小立野台地に出た後、兼六園の園内の曲水となる。かつては、導水管を用いて外堀をくぐらせ金沢城内に水を供給し、さらに市内に配水していた。当初は木管が用いられていたが、後に石管が用いられた。石管は、市内の石川県立美術館の中庭等で保存されている。
1950年代頃から地表部に生活排水の流入が目立ち始め兼六園の曲水にも悪影響が出始めた為、地表部分の大半には並行して兼六園専用のバイパスが埋設された。
石管には、富山県砺波市で産出した金屋石が使用され、富山県十二貫野用水の第一分水である龍の口用水で使われた技術が利用されている。