造岩鉱物
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造岩鉱物(ぞうがんこうぶつ、rock-forming minerals)は、地球上の大多数の岩石に含まれる鉱物の総称。量が莫大であるが、鉱業的に重要なものは少ない。ただし、ほとんどの岩石は、ほぼ造岩鉱物のみからできている。
造岩鉱物は、その色により、無色鉱物と有色鉱物に分けられる。有色鉱物には鉄など金属が多く含まれ、これらを多く含む岩石は塩基性岩と呼ばれ、1200℃程度の温度で融解する。一方、無色鉱物が多い岩石は酸性岩と呼ばれ、900℃程度の温度で融解する。有色鉱物が多い塩基性のマグマは粘性が低く、ドロドロと流れる。無色鉱物が多い酸性のマグマは粘性が高く、溶岩流として流れることは少なく、流れ出す前に火口付近で固まってしまうことが多いため、爆発的な噴火を引き起こしやすい。
[編集] 主な造岩鉱物
- シリカ鉱物 : 石英など
- 長石類 : アルカリ長石、斜長石
- 準長石類
- 雲母類 : 黒雲母、白雲母など
- 角閃石類
- 輝石類
- カンラン石類
- 磁鉄鉱(マグネタイト)
- チタン鉄鉱(イルメナイト)
- 燐灰石(アパタイト)
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 森本信男 『造岩鉱物学』 東京大学出版会、1989年、ISBN 4-13-062123-8。