運搬RNA
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運搬RNAはmRNA上の塩基配列が蛋白質のアミノ酸配列に翻訳される際に両者をつなぐ"アダプター"の一つ。通常tRNAと略される。tは運搬を意味するtransferのtである。
70から90b 程度の長さのRNAで、いくつかの塩基は様々な修飾をうけている。一つのアミノ酸に対して多くは二種類以上のtRNAが存在する。一方で、一つのtRNAは複数のコドンに対応することがある。これはコドンの揺らぎによるもの。実際には30から40種のtRNAが一つの翻訳系で使われる。 通常、二次構造上はD、anticodon、Tという3個のステムループを持つクローバーリーフと呼ばれる構造を持ち、これが折り畳まれて3次元的にはL字型になる。L字の長い方の棒の先端にはアンチコドンが、短い方にはCCAという塩基配列が位置する。このCCAのアデノシン残基にアミノアシルtRNAシンセテースによってアミノ酸が転移されて、アミノアシルtRNAとなる。
つまりコドンとアミノ酸の正確な対応には、tRNAとアミノアシルtRNAシンセテースの特異的な相互作用が必須となる。
セレノシステイン-tRNAは例外的に他のtRNAにない様々な特徴を持つ。
[編集] 関連項目
- 特殊塩基(化学修飾塩基)
- ゆらぎ説