部落史を歩く
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『部落史を歩く』とは、大阪府の人権・同和教育副読本『にんげん』に収録されている大阪教育大学の中尾健次教授の著による文章。
この文は、2004年に『にんげん』の改訂版が出版された際に、出版早々に訂正を出して注目を集めた。問題となったのは、「こうして、1935年に新しい風呂が建設されました。この風呂は、今も部落の公共浴場として使われています。こうした地域の環境改善を求める運動が、戦後の解放運動に大きな影響を与えていくのです。」という部分。すぐに、「70年も前に作られた風呂が今もあるのは不自然」などとクレームがつき、確認したところ、この風呂は既になくなっており、中尾氏は一度も現地に行かずにこの文を書いたことが判明した。
これ以外に、『部落史を歩く』には、「読んでいれば被差別部落の場所を特定できる」という批判があるほか、中尾自身にも部落の起源論争において、学会では既に否定されたはずの職業起源説に基づいて部落史を教えている、という批判もある。