郵便受け
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郵便受け(ゆうびんうけ)は、配達された郵便物や新聞などを受け取るための装置。通常は、投入口と取り出し口を備えた箱となっている。ポストと呼称されることが多いが、郵便ポストとは別の物として区別が必要である。
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[編集] 素材・設置形態
金属製、プラスチック製、木製などがあるが、金属製が主流である。通常は玄関や門のところに設置される。郵便受け単体の製品のほか、建築時に作りつけになっているものもある。アパートには各戸に「ドアポスト」がある場合が多い。また、4階建以上の集合住宅には、エントランス付近に「集合ポスト」の設置義務がある。
プライバシーの問題から、錠をかけられるようになっているタイプのものが多い。錠の種類としては、キーロックやダイヤルロックなどがあるが、しっかりと鍵をかけていてもスロット部分から手や器具を用いて取り出すことが可能な場合もあり、ことに集合住宅の集合ポスト(郵便受け)がそうなっている場合などに、「ドアポストのほうに入れて下さい」と表示し、封鎖している例も見られる(これには、単に階下まで降りていくのが面倒だからという理由も考えられるが)。
[編集] 投函物と問題点
郵便受けに投函されるものは郵便物(認可を受けた新聞を含む)に留まらず、飲食店などの、いわゆる投げ込みチラシを含む。それらの競争が激しい地域などでは、郵便受けが宣伝で埋め尽くされることもある。そのため集合住宅(一般家庭よりも、チラシを配布する側にとっては効率が良いため、集中する傾向にある)ではそれらを捨てるための専用ゴミ箱が置かれていることも多く、一部では管理組合によって「広告禁止」の掲示がなされているところも見られる。
[編集] 郵便受けと文化
日本は明治維新以降著しく西洋化を遂げたとは言え、郵便制度などにおいてもさまざまな相違点が見られる。アメリカの映画やドラマ、漫画などを見ていると、半円柱ようの形状をした郵便受けの側面に、小さな金属製の小旗(赤い場合が多い)がついていることがある。これは中に郵便物が入っている印であり、自分から出したい郵便物がある場合には予めその小旗を立てておく。こういったシステムがある背景としては、アメリカでは各家庭から郵便ポストまでの距離が遠いという事情があるのではないかと推察される。
日本語でいう「郵便受け」は英語では通常「Mailbox」と呼び、さらには日本での「ドアポスト」にあたるものは「Mailslot」であって「Doorpost」は玄関の両脇の柱(ポスト)を指すので、カタカナ英語でコミュニケーションを取ろうとするときには注意が必要である。
[編集] 海外の郵便受け
英国では各家庭にある郵便受けのことをレターボックス(Letter box)という。形状としては、真横から見た形状が横長の長方形で、上方部分(屋根部分)が丸いドーム状(筒を半割りにして乗せたような形状)になっているタイプが最も象徴的な形状として知られている。紛らわしいが、米国ではレターボックスは郵便ポストの事を示す。