重慶大厦
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重慶大厦 | |
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簡体字: | 重庆大厦 |
繁体字: | 重慶大廈 |
ピン音: | Chóngqìng Dàshà |
広東語: | cung4 hing3 daai3 haa3 |
発音: | チョンキンマンション(英) チョンキンダーイハー(広) |
重慶大厦(じゅうけいたいか、Chungking Mansions)は中華人民共和国香港特別行政区の九龍・尖沙咀地区の彌敦道(ネイザンロード Nathan Road)に面して建つ、1960年代に開発された複合ビルである。
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[編集] 概要
観光客が集まる繁華街の一等地にありながら、数多くの安宿が密集しているビルとして有名で、世界中のバックパッカーにその名が知れ渡っている。一時は同じく彌敦道沿いの70mほど北側にある美麗都大厦(ミラドールマンション、広東語:美麗都大廈 メイライドウダーイハー、英語:Mirador Mansion)と安宿香港一の座を競っていたが、軍配は重慶大厦に上がっている。
また、両替商・カレー店・アフリカ料理店・南アジア等の民族衣装店や紳士服の仕立て屋、雑貨店の多さでも知られており、これらの店を目的に訪れる観光客も少なくなく、また、南アジア・中東・アフリカなどの出身者のコミュニティができている場所でもある。2006年には日本で言う2階の一部がエスカレータで上がれる現代的なショッピングモールとなり、化粧品店、ブティックなどが入居している。
正面から見ると、ひとつの立方体のビルに見えるが、日本で言う4階以上は後ろに井の字のような型のビルがあり、3棟合体の構造となっている。最高階は18階。ブロックで分けられているので、同一階内での横移動は基本的にできない構造のため、エレベータに乗るときは、目的の部屋の直近のもので、目的の階に止まるものを選ぶ必要があり、基本的にどれか1台のエレベータしか目的の部屋にたどり着かない。隣のビルとの間には通路があるが、彌敦道に面している場所で露天商が出ているため、一見すると商店に見える。今は無き九龍城砦を彷彿させ、古き香港を今に伝える建築物のひとつであり、また、複雑な人間模様を感じさせる場所として、いくつかの映画や小説の舞台ともなっている。
過去に何度か一部の部屋が燃える火事がおきているが、内部の複雑さから、迅速な避難には困難があり、安全性に不安がある。