野沢協

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野澤協（のざわきょう、1930年（昭和5年） - ）は、日本のフランス文学者。17・18世紀フランス思想史を専攻。神奈川県生まれ。1953年（昭和28年）東京大学仏文科卒。元東京都立大学教授。駒澤大学でもフランス語講師を勤めた。

1960年代には白水社の文庫クセジュなどで社会的傾向の強い著作の翻訳を多く手がけたが、1970年代以降、フランス啓蒙主義の研究に邁進。ポール・アザールの大著『ヨーロッパ精神の危機』やグレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源』などを次々に訳す。さらに70年代後半からライフワークともいえるピエール・ベールの個人全訳に着手。1997年に完結し、同年度の日本翻訳文化賞（第34回）を受賞した。

旧制浦和高等学校時代からの友人に澁澤龍彦がいる。

京都学派の哲学者田辺元は叔父、脚本家の野沢尚は甥に当たる。

愛煙家。たばこはゴールデンバットを愛用。

[編集] 訳書

1959年セルジュ・ユタン『英米哲学入門』 - 白水社文庫クセジュ
1960年ルグロ『ファーブル伝』（平岡昇と共訳） - 白水社
1961年セク・トウーレ『アフリカの未来像』正続（小出峻と共訳） - 理論社
同年トロッキー『わが生涯』（栗田勇, 澁澤龍彦, 浜田泰三と共訳、林茂名義） - 現代思潮社
1962年ラペルーサ『死海写本』 - 白水社文庫クセジュ
1963年リヒャルト・レヴィンゾーン『心臓　この未知なるもの』（中山毅と共訳） - 理論社
同年ルイ・ボダン『知識人』 - 白水社文庫クセジュ
1964年シュレ=カナール『黒アフリカ史　その地理・文明・歴史』 - 理論社
1965年アニー・クリジェル『インターナショナルの歴史　1864-1943年』（秋沢勝と共訳） - 白水社文庫クセジュ
同年マドレーヌ・リフォ『"ベトコン"の戦士たち』 - 理論社
1967年クロード・フォーラン『アメリカの黒人』（山口俊章と共訳） - 白水社文庫クセジュ
同年ル・フェーヴル『中央アジア自動車横断』（宮前勝利と共訳） - 白水社
同年ポール・ニザン『トロイの木馬』 - 新日本出版社
1968年ドルバック『キリスト教暴露』 - 現代思潮社
1969年アンドレ・ドクフレ『革命と反革命』 - 白水社文庫クセジュ
同年『ポール・ニザン著作集9』 - 晶文社
1972年ジャン・ドフラーヌ『フランスの左翼　1789年から今日まで』 - 白水社文庫クセジュ
1973年ポール・アザール『ヨーロッパ精神の危機　1680-1715』
同年『デカルト著作集4』（共訳） - 白水社
同年ギュスターヴ・ジェフロワ『幽閉者　ブランキ伝』（加藤節子と共訳）
1974年アレクサンドル・コイレ『コスモスの崩壊　閉ざされた世界から無限の宇宙へ』 - 白水社
同年ベルンハルト・グレトゥイゼン『ブルジョワ精神の起源　教会とブルジョワジー』 - 法政大学出版局
1976年『シャトレ哲学史4啓蒙時代の哲学』（監訳） - 白水社
1977年モーリス・ドベス, ガストン・ミアラレ編『現代教育科学2』（共訳） - 白水社
1978年『ピエール・ベール著作集1彗星雑考』 - 法政大学出版局
1979年ジャン・カスー『1848年　二月革命の精神史』（共訳） - 法政大学出版局
同年『ピエール・ベール著作集2寛容論集』 - 法政大学出版局
1980年『ディドロ著作集2』（共訳） - 法政大学出版局
1981年アンドレ・リシュタンベルジェ『十八世紀社会主義』 - 法政大学出版局
1982年『ピエール・ベール著作集3歴史批評辞典1』 - 法政大学出版局
1984年『ピエール・ベール著作集4歴史批評辞典2』 - 法政大学出版局
1987年『ピエール・ベール著作集5歴史批評辞典3』 - 法政大学出版局
1989年『ピエール・ベール著作集6彗星雑考続』 - 法政大学出版局
同年『ディドロ著作集3』（共訳） - 法政大学出版局
1992年『ピエール・ベール著作集7後期論文集1』 - 法政大学出版局
1996年『啓蒙のユートピア1』 = クロード・ジルベール「カレジャヴァまたは合理人の島の物語」（小林浩と共訳）、シモン・ティソ・ド・パト「ジャック・マッセの旅と冒険」 - 法政大学出版局
1997年『啓蒙のユートピア3』 = ドン・デシャン「道徳考」 - 法政大学出版局
同年『ピエール・ベール著作集8後期論文集』 - 法政大学出版局
2004年『ピエール・ベール著作集補巻宗教改革史論』 - 法政大学出版局
2005年ピエール・デ・メゾー『ピエール・ベール伝』 - 法政大学出版局