金城温古録
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金城温古録(きんじょうおんころく)とは、江戸時代後期における名古屋城の諸施設や植生、城内の規制や慣習、手続きなど、有形無形の事柄を詳細にまとめた資料である。全64冊。尾張藩庫を経て、現在は名古屋市が所蔵している。
「温故録」と紹介されることがあるが、「温古録」が正しい。
[編集] 成立過程
文政年間(1818年~1830年)、尾張藩はかねて個人的に古記録や古文書の収集を行っていた掃除中間頭本役奥村得義に対し、名古屋城詳細調査と古記録保存の藩命を下した。この時の藩主は10代徳川斉朝と思われる。奥村は10年以上にわたって城内を隈なく調査、かつスケッチし、また各種手続き方や慣習などを書き留め、天保13年(1842年)から執筆を開始し、万延元年(1860年)に完成させ、15代藩主徳川茂徳に上程した。
[編集] 記載内容
内容は厳格なまでに忠実な描写と詳細な記述に終始しており、名古屋城の全盛期を正確かつ詳細に知ることができる。