陸軍海上挺身戦隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
陸軍海上挺身戦隊(りくぐんかいじょうていしんたい)とは、第51~54期陸軍士官学校出身者を隊長として編成された陸軍の特殊攻撃部隊。水上挺身隊と呼ばれることもある。マルレ(連絡艇の頭文字レに○)の秘匿名称でよばれたベニヤ製の小型動力舟艇を装備した。マルレは、1~2人乗りで、当初は、搭載した爆雷を投下して攻撃する計画だったようだが、実際には、体当たりする特攻艇・突撃艇として実戦に投入された。
一般隊員は16~25才の船舶特別幹部候補生の少年兵であった。 陸軍船舶特別幹部候補生隊として入隊後に小豆島で特別訓練を受け、フィリピン・沖縄・台湾に部隊を展開した。 後半の訓練生のなかには広島に配属中に被爆した者が多い。
海上挺身隊は陸軍の部隊であるが、日本海軍では特攻艇震洋を装備した特別攻撃隊が編成された。日本陸軍の場合、船舶砲兵隊を編成するだけではなく、大発(ダイハツ:大型発動機艇)、輸送用潜水艦「マルユ」(輸送の頭文字ユに○)、陸軍航空母艦(上陸用舟艇母船の発展型)を開発、生産するなど、艦船部隊も編成した。このように、陸海軍の対立の中で、海へ深くかかわった日本陸軍であるからこそ、本来は海軍の掌握すべき突撃艇部隊を編成できたと考えられる。