階層構造
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階層構造(かいそうこうぞう)とは、ある事象や認識対象の構造が、高層建築物のように、各階を、下層から上層へと順に積み重ねて全体を構成している場合の構造である。あるいは、積み木構造ともいえる。
また、ある要素が複数集まることでひとつのユニット(集合体)を形成し、そのユニットが複数集まることでさらに大きなひとつの大ユニットを形成し、その大ユニットが、、、、という構造も、階層構造である。
階層構造を特徴づける性質は、高次の階層は、低次の階層が備える性質をすべて持っていることである。例えば、3階は1階・2階に備わる性質をすべて持っているが、逆に、1階・2階は3階に特有な性質を持っていない。また、下層階に及ぼされた影響は、上層階にも及ぶが、その逆は起こらない。例えば、地震で、1階が揺れた場合、全体が影響をうけるが、2階のみが揺れた場合は、上層階は影響をうけるが、1階は影響を受けない。
また、各階層は、階級(クラス)として取り扱われることがある。各階級の関係は、親子関係として取り扱われ、親の特質が、子に継承される。
しかし、このような深い意味がなくても、外見上、ピラミッド構造や高層ビルのような構造である場合も、階層構造ということがある。重層構造ともいう。この概念は、定義も拡張も自由であろう。
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[編集] より具体的な定義
構成要素である階級(クラス)には、階層の深さがあり、それぞれ浅い順に、親子関係にある。親子関係において、子は、親の特徴をすべて受け継いでいて(継承)、さらに、子供は親にない独自の特徴を備えている。すなわち、末代の子供は、初代の親からの特徴をすべて備えている。また、親は複数の子をもってよい。このような構造を有する場合、階層性があるという。
[編集] 階層構造の例
- タンパク質の階層構造
- 生命(細胞-組織-器官-器官系-個体 - 群...)
- 生物の分類(界 - 門 - 綱 - 目 - 科 - 属 - 種)
- OSI参照モデル(物理層 - データリンク層 - ネットワーク層 - トランスポート層 - セッション層 - プレゼンテーション層 - アプリケーション層 )
[編集] 階層構造と創発
「子供の階層は、親の階層にない独自の特徴を備えている」。このような性質によって起きる複合的現象は「創発」と呼ばれている。
[編集] 関連用語
- オブジェクト指向プログラミング
- ヒエラルキー
- ピラミッド構造
- ツリー構造(系統樹)
- 包含構造
- 入れ子構造
- 抽象化 (計算機科学)