電マ
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電マ(でんマ)とは、家庭用マッサージ用として売られている単純振動式の電動マッサージ機(電気あんま)を性具として利用する場合の俗称。狭い範囲で通用するスラングである。そのまま「電気あんま」「電気マッサージ器」と呼ばれることもあるほか、アダルトビデオ業界には「お父さんバイブ」という業界用語もある。なお、一般の性具も薬事法による規制逃れのため「マッサージ機」という名で販売されることがあるが、電マはあくまで大衆家電としてのマッサージ機を性的用途に転用したもののに対する通称であるため、これらとは全く関係がない。
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[編集] 概要
[編集] 代表的機種
- 大東電機工業のスライヴシリーズ
- 松下電工がナショナルブランドで販売していた「パナブレーター EV256-G」(生産終了)
- 日立製作所のMagic Wand:主に米国のアダルト業界で定番だが日本では入手困難
[編集] 使い方・特徴
性具として売られているバイブレーターとほぼ同じように、性器などの性感帯に当てがって刺激する。肌に直接接触させると刺激が強すぎることがあるため、下着などの布越しに使用することが多い。なお、大きさの都合上性器や肛門への挿入は困難であるため、必要な場合は通常のバイブレーターや張型等を挿入し、その器具に電マを当てることで間接的に振動を伝える方法をとられることがある。
電マ最大の特徴はそのパワーである。家庭用コンセントに直差しされたコードから伝えられるAC電源の駆動力は小型乾電池数本で動く一般のローター、バイブレーターとは比較にならず、非常に強い快感を得ることができる。また、受け手の意思に関係なく半ば強引に絶頂に到達させることも出来るため、SMプレイ・羞恥プレイなどで重用される。
電マは数千円程度と比較的安価に入手することが可能ながら目覚しい効果を期待でき、また本来は普通の家電製品であることから人目を気にせず購入が可能で隠し場所に困ることもない。このため、家族と同居する独身者やカップル・夫婦が購入する例も多い。特に、もともと使用できる性具自体が限られている男性には高い人気を誇る。アダルトビデオの撮影では非常にポピュラーな器具として通用している。特に、恥ずかしさが抜けず反応の薄い新人女優出演作で見栄えのするシーンを撮らなくてはならない場合には必需品である。「すました女優を電マでイカせる」系の電マ専門企画シリーズも各社から販売されている。
米国ではもともと電動マッサージ機自体が珍しいため日立Magic Wandの購入目的は性的用途が多く、日立自身がそれを前提に設計している商品であると誤解されることも多い。これは一応誤りといえるが、北米でのMagic Wand販売はアダルトバイブレーター会社のVibratex, Inc.に委託されていることから[1]、実質的にメーカー自らがその用途を認めてしまっているに等しいという状態となっている。
[編集] 性具としての使用
他社製の、マッサージ器の先端に取り付ける張形やアタッチメントが販売され性具としての扱いが拡大する傾向にある。VibratexはMagic Wand向けにGスポット刺激用アタッチメントパーツ等を出荷しており、米国ではAmazon.com等大手ショッピングサイトでも併売されている。また、スライブMD-01用のアタッチメントも数多くラインアップされ、性具としての供給が拡大しつつある。