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性具

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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性具(せいぐ)は、性行為の際に、性的快感を増幅し、性的欲望を十分に満たす目的で作られた製品で、女性用・男性用のほか様々な製品が作られている。淫具とも言い、俗に大人のおもちゃとも呼ばれる。

目次

[編集] 概要

性具とは、生殖器や肉体を刺激する事で、より豊かな性的な快楽を得るための物である。オナニーの補助の道具としてや特殊な性的嗜好に特化した物などがあるが、製品によっては性機能障害や不感症の改善に役立つと一般には認識されている。その用途上、18歳未満の人が購入する事は公序良俗に反すると考えられているため、販売に関しては地域条例等の法律、または業界内で自主規制が設けられている。

古くから、女性が性的快楽を追求する行為は不道徳的であると見なされていたため、これら器具の多くは男性の性的な願望を強く反映した物が多かった。しかしながら近年では女性の性的な欲求も社会的に認知されるようになって、女性自身の発案による器具も多く出回るようになっている。

これらの器具の多くは「いかがわしい物」として、公然とは販売されない。また購入者も買った事が周囲に知られる事を厭う者が多いため、価格に不相応な粗悪製品が出回っているのが一般的であった。しかしインターネットが一般的になり、製品の比較がなされるようになったことで、良心的で品質面に配慮した製品の発売を表明するメーカーも見られるようになってきている。日本では2006年に、グッドデザイン・コンテストに出品しようとした業者も出ており、審査段階で強制撤去という憂き目を見たものの、工業製品としての安全性・信頼性を意識する段階にあることが伺える

なお、「性具」は薬事法における医療機器(衛生用品)としての制限を受けるため、その制限から逃れるため「玩具」ないし「ジョークグッズ」などとして販売されるものも少なからず存在している。前者はともかくとして、後者は機能的に問題が見られる傾向が強い。そのような物を「性具」のように利用する際には、コンドームを器具に装着するなど、衛生面や破損時における相応の配慮が必要である。

[編集] 歴史

これら性的用具の歴史は古く、その起源ははっきりしないが、紀元前より男性権力者の衰えた勃起能力の代用品として、張形と呼ばれる男性生殖器を模した器具が存在していたとみられる。石器時代には既に、そのような用途に用いられたと見られる石器が登場していたと見る説もあるが、古くは処女が初めて性交する際の出血で陰茎が穢れると考え、そのような器具を使用したと考える者もいる。(初夜権

記録に残る日本最古の張形は、飛鳥時代遣唐使が持ち帰った青銅製の物が大和朝廷への献上品に含まれていたと云う記述があるそうで、奈良時代に入ると動物のなどで作られた張り形が、記録に登場している。

江戸時代に入ると木製や陶器製の性具が一般にも使われ始めるが、一部では陽物崇拝の一環として、神社に奉納されるためにも用いられ、実用には適さないような、とてつもないサイズの張り形も見られる(→かなまら祭)。なお、この時期と前後して江戸城下には幾つかの媚薬や精力剤を専門に扱う店が生まれたが、その元祖と言われているのが1626年に創業した四ツ目屋であると云われている。

現代では、高度な電子技術を駆使したバイブレータなどの製品は家内制手工業により製造されており、厳冬期の豪雪地帯での貴重な仕事・産業となっている。日本製品は高い性能と品質を誇り、中国・韓国など近隣諸国でも人気が高い。

[編集] 女性向け

[編集] ディルド(張形

大奥 鼈甲張り型
大奥 鼈甲張り型

男性性器を模した性具。金属性や木製・陶器製の物などは古くからあったが、硬く違和感(もしくは異物感)があるため、近年では表面がゴムシリコーンなどの、柔らかい素材のものが多く販売されている。しかし、逆に硬いガラス製の物も存在する。両端が男性器を模した物もあり、これは女性同士が楽しむために用いられる。また、ベルトやパンツに装着し、女性が男性器の代わりとして使用するペニスバンドもある。

詳しくは張形を参照

[編集] バイブレータ

振動により快感を得られる性具。女性のに挿入できるようになっており、性器性感帯をその振動や動きで刺激し性的快楽を得ることができる。主にディルド型とカプセル型に分かれる。

古くは使用することで羞恥心や倒錯感を煽る目的もあり、パートナーに使用する目的で男性が購入することが多いと考えられてきた。そのため、より倒錯したプレイに向くよう、陰茎を誇張したデザインや人や動物の顔を模しているものなど、ともすればグロテスクでハイパワー・高機能を謳い、色は濃いピンクや黒の製品が多かった。

しかし最近では、女性のオナニーが一般化し女性の購入者が増えてきたことや、普通のセックスではあまり性的興奮を得られないパートナー間でも利用されるとみられ、デザインや色がより落ち着いたものになるなど、あまり卑猥でないものが増えてきている。また近年では女性向けの入りやすいアダルトグッズショップインターネット上の通販サイトが増えてきており、以前より幅広い年齢層に受け入れられている。その幅広いニーズに対応するため、初心者向けの小さくシンプルな物から熟練者向けの巨大で凹凸が激しく刺激が強い物まで、様々な製品が販売されている。

[編集] ディルド型

  • 勃起時の陰茎大の本体付け根に操作部があるタイプで主に膣や肛門に挿入するために使用する。薬事法の規制逃れのために顔を彫りこけしに似せたことから過去には「電動こけし」と呼ばれた。モーターと錘(またはカム)により震えるようにできており、中には全体が屈伸したり表面の凹凸が変化したりするなどの複雑な機構を備えた物もある。またそれら機能を適切に配置したり陰核を刺激するための装置が取り付けられているものがあるなど、より過激な興奮を得られるように改良が続けられている。このような製品を利用した場合、より強い刺激を求めて次第に太いものを求めるとする俗説やポルノのストーリーもあるが、特に医学的根拠がなく、実際には遥かに巨大な新生児を出産した経産婦でも、通常の性交で十分に性感が得られるのは周知のとおりである。
  • 女性の膣の深さは、日本女性で平均14~15cmとされている。女性の性器は非処女であっても、大きなものの挿入に対して実質的な痛みや恐怖を伴うために、必ずしも大きなものを求める女性ばかりとは限らない。出産経験者が膣がゆるくなるといった話から、女性の膣は伸びやすいと思われがちだが、括約筋は拡張し続けなければ収縮して元にもどる。また、クリトリスやGスポットを刺激して得られる性感と子宮口を圧迫して得られる性感は著名だが、膣口を拡張して得られる性感は個人差が大きい。性感の調査の上では単純に巨大なものを挿入した際に、圧迫感が強すぎて挿入感が鈍るという報告も見られる。そのため必ずしも性具を用いた場合に大きなサイズを好むわけではない。実際12cm程度の小さなディルドーもロングセラー商品として販売され続けている。
  • 通販の場合、表向きはマッサージ器などと称して売られている(前述の薬事法による規制のため)場合があり、これらでは一般商品に混じってカタログに掲載されている物も見られる。ただ注意書きとして不自然に防水機能を備えているとか直径が書かれているので、事情通にはそれと判る。人に知られにくいように、ケースに可愛い縫いぐるみなどが用いられることがある。
    • 主なバリエーション
  • うねり・首振りタイプ:内部にモーターとロッド、カムを仕込むことで棒部分をうねらせるもの。
  • 三点タイプ:内部モーターの振動を利用し、棒状部の付け根に2つの突起を設けたもの。肛門と陰核を刺激するために作られている。極初期に出た「熊ん子(くまんこ)」から続く代表的なタイプ。
  • パールタイプ:内部に小球を詰め込み、それを攪拌することでバイブレータ表面を変化させるもの。
  • ローター内蔵タイプ:棒状の本体に後述のローターを仕込むもの。振動は少ないが価格は安い。
  • 双頭タイプ:振動部が中央にあり両端が挿入可能になっているもの。これは、女性同士が松葉崩しの体位のように互いの外陰部を近づけ、互いの膣口にバイブレータのそれぞれの頭をあてがい、挿入し合うものである。
  • ペニスバンドタイプ:ペニスバンドのディルド部がバイブレータ機能を持った物。
  • 防水タイプ:ほとんどがシンプルなスティックタイプ。Oリングなどで防水しているため、入浴しながらでも使用できる。
  • 家庭用電源タイプ:乾電池ではなく100Vコンセント(ACアダプター)で使用するタイプ。
  • リモコンタイプ:無線操作でスイッチのオン・オフ、強弱の変更を可能にしたもの。
  • 自作キット:野菜など好きな形状のものを型取りし、シリコーンを流し込むことで自作が可能なキット。振動は後述のローターを組み込む。


[編集] カプセル型

  • 一般にピンクローター、または単にローターと呼ばれる物で、振動部分だけを小型化したものである。カプセルのような形状をしており膣内へ挿入できるようになっているが、陰核乳首などを刺激し快楽を得る用途にも向く。また外見が男性器をかたどっていないため、所有への心理的抵抗感が少ない。
  • 乾電池とスイッチのケースが振動部とコードで接続されている。振動部とこのコードの接続部分は防水構造になっていない事が多く、また引っ張り強度も弱い場合があるため、挿入の用途には向かないものもある。挿入する場合は安全のためコンドームに入れて使用するのも一つの方法である。
  • 本来この製品は女性用であるが、これを肛門に挿入し快感を得る男性もいる。
    • 主なバリエーション
  • バタフライタイプ:ストラップを配して、下着のように身に着けられるようにしたタイプ。名前の通り蝶を模したものが知名度が高い。
  • リモコンタイプ:無線操作でスイッチのオン・オフ、強弱の変更を可能にしたもの。リモコンが一見文房具のペンのように他人の目を誤魔化せるものも登場している。これらは羞恥プレイなど一種の「プレイ」の一環として利用される事もある。小型の物では乳首への刺激に特化した製品も見られる。
  • マラカスタイプ:マラカスのように取っ手のついたタイプ。挿入しやすい。両端が大小のローターになったタイプもある。
  • 防水タイプ:一回り大きいが防水性を高めたもの。


[編集] ハンディー型電気マッサージ器のアタッチメント

肩や腰などをマッサージするハンディー型電器マッサージ器の先端部を交換、女性器に挿入するなどしてその振動を楽しめるようになっている。マッサージ器に取り付けるので強力な快感が得られるほか、アタッチメントが単純な構造なので洗浄しやすい。主に日本以外で製造されている。

[編集] その他

電動式器具として「跨ったり、足に挟んで使用する」というタイプの物も見られる。これらはACアダプタを電源とし、上下運動する本体から飛び出したアタッチメント式ディルドやオナホールを交換することで、男性にも女性にも対応する製品だが、主に日本以外で製造・販売されており、一部が日本国内でも輸入販売されている。

[編集] 真空吸入具

  • 乳房用
もともとは妊婦用の搾乳器。女性の乳首を吸い上げることで乳首を際立たせる効果がある。近年では動力つきの大型なものが登場し、海外のアダルトビデオなどに見られる。コンプレッサーを用い、透明のアクリル製シリンダーを乳房に装着して使用するが、これはどちらかというと性感云々というよりも、一種の性倒錯プレイ用品といえよう。
  • 陰核部用
俗にクリキャップと呼ばれる1990年代に登場した、ゴムなどで出来た小さなサック状の器具は、勃起した陰核に装着して使用する。一般に陰核は最大限に勃起しても外陰唇より出るか出ないかといった大きさで、また絶頂に達する前に萎えてしまうため、これを持続的に刺激するために考案された。キャップを指で潰して装着、キャップ内を陰圧とする事で、陰核に吸い付かせる形で装着する。もとは実験用のスポイトのゴム球部で代用されていた。
キャップ内を陰圧とする事で、陰核の勃起を強制的に持続させると共に、キャップ頭部が常に陰唇の外部に飛び出した格好となるため、これに触れる形で陰核を刺激する。

[編集] 男性向け

[編集] オナホール

男性用の自慰用具。「オナニーホール」の略。男性器を女性器へ挿入する快感を再現するための膣口をかたちどった製品。近年では、安価な使い捨ての物をオナニーカップ(オナカップ)という。

詳しくはオナホールを参照

[編集] ダッチワイフ

等身大の女性の形をした人形で、主に男性の擬似性交用として使用する。観賞や写真撮影の対象として扱われることもある。

詳しくはダッチワイフを参照

[編集] 前立腺刺激具

商品名から「エネマグラ」と呼ばれることが多い前立腺マッサージ器。単に「プロステート(prostate:前立腺)」と呼ぶ場合もある。勃起不全や前立腺障害解消用の医療機器であるが、大人のおもちゃとして分類されることもある。

肛門を介して前立腺を刺激することにより、女性のオーガズムに近い(射精をともなわない)快感(ドライオーガズム)が得られる。また、男性の肛門は性感帯として広く知られており、陰茎に触れなくとも、肛門に手指や器具を挿入するだけで射精が自然に起きることがあるとされている(これを俗に“ところてん突き”と言う)。余談ではあるが不妊治療においての精液採取方法には「電気刺激射精法」と呼ばれるものがあり、性感に拠らずとも電極を肛門から挿入して前立腺を電気刺激することで射精が行える。なおこれは脊髄損傷などで下半身の感覚が無くても射精が行える方法でもある。

女性の肛門よりも性感度は男性の肛門の方が大きい。一説によると前立腺を肛門から触ることができるために快感を感じたり、射精が起きたりすると言われている。また毛深い男性ほど肛門周辺の性感密集度は高く、愛好者筋に依れば肛門に発毛している男性はほぼ全員が訓練次第で肛門で性感を感じる事が可能とされている。

ただし、陰茎によるマスターベーションと異なり、快感を得るためには訓練や経験が必要であり、感覚の度合いにも個人差が大きい。

[編集] コックバンド

陰茎の根元を締め付け、陰茎を常時勃起させたままにする。"cock"の本来の意味はレバー"lever"であり、日本語に入った英単語では、蛇口などの横長ハンドルを意味する「コック」として知られる。これが英語ではペニスを意味する俗語にもなる。形態から以下の3種類に分けられる。

  • リング:金属の輪をはめるもの。故に「コックリング」なる名称も存在する。
  • ベルト:ズボンのように、穴付き皮ベルトで締めるもの。
  • ワイヤー:ベルト式と似ているがもっと細い。また細さを活かして、ワイヤーの周囲に付けられたギザギザがより刺激を与えるタイプや、陰嚢の周囲を縛るタイプも存在する。陰嚢内の睾丸を左右に分離するものを特に「玉割り」と言う。

男性には多少の苦しみ(外圧的痛みでなく、発射出来ない内圧的構造)が伴う為、性行為そのものだけでなく、男性を貶める拘束具としても使われる。一度に一つでなく、複数で拘束する場合もある。

[編集] 肥後ずいき

この節は執筆の途中です この節は、書きかけです。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

[編集] 男女両用

[編集] ラブローション

性玩具用に「ローション」と呼ばれるこれらの液体は、強い粘性と潤滑性をもった水溶液で、摩擦を軽減させる効果がある。これは「性具」というよりもむしろ消耗品だが、これを用いる事により愛撫の効果を高めたり、または様々な特殊プレイにおいて本来は肉体機能上で潤滑されない部分を潤滑(パイズリ素股などのプレイが有名)させたり、また初心者や高齢者にあって性器が濡れ難くなっている場合などにも利用される。

様々な用法が存在し、その利用法も利用者の工夫次第で無限と言えよう。ただ、これらの液体は摩擦力を軽減させるために、足の裏や椅子に付着していた場合などに転倒事故を招き易いので注意が必要である。

濃過ぎる場合には水で薄めて使用するが、業務用の濃厚なタイプでは2~5倍程度に薄めて使用する物も見られる。製品によっては紫外線で分解してしまったり、生分解性があるために腐敗したりする物も多い。密閉容器に入れ冷暗所で保存して、開封したら早めに使い切る必要がある。また、コンドームの摩擦緩和用として、薬局・薬店のコンドームコーナーでは、化粧品や歯磨きのようなチューブ入りのローションが販売されている。これらの多くは「潤滑ゼリー」という名称で販売されており、潤滑性の点では一般的なローションより劣るが、容易に洗い流すことができる。

主成分は水溶性ポリマー(主にポリアクリル酸ナトリウム)と水であるが、これは食品添加物の増粘剤にも利用されており、たとえ口にしても特に大きな危険性は無いと考えられる。ただし、保存料など、それ以外の添加物が含まれている製品も見られるため必ずしも無害とは言い切れない。

参考:日本農薬学会提供の資料PDF形式)

温感ローションと呼ばれている物では、グリセリンが配合されている。これは浣腸に用いられる成分であるため、肛門に対するローションとしては使用できない。温感ローションに関しては、主に男性がオナホール等を利用する際に使うべき物で、それ以外の用途には注意が必要と思われる。

性行為に用いる避妊具同様に、薬局ドラッグストア等でも販売している製品も見られるが、品質面で気を使うなら、これらの店舗で購入した方が無難であると思われる。

[編集] アナルグッズ

男女ともに肛門性感帯となりうるために、専用として売られているものが数多く存在する。

いずれの器具にも言えることだが、肛門への挿入後は細菌の付着が避けられないため、挿入後に他の体腔(特に)に対して使用してはならない。

  • アナルバイブ
通常のものより細く作られた専用バイブ。スティック型に分類されるが、ローターもそのまま使用することがある。
  • アナルディルドー
アナル専用に細く作られた張形。拡張棒と呼ばれるものはエボナイトや硬質樹脂で作られており、肛門の括約筋をほぐすために十数段階の直径のものをセットにして販売している。
  • アナルボール
プラスチック、もしくは硬質ゴムの球。挿入して楽しむ。紐がついていて、引き抜くことも可能。
  • アナルビーズ
数珠状に繋がっている球体を肛門に挿抜し、括約筋を刺激して楽しむ器具。真珠を模したものは「アナルパール」とも呼ばれる。
  • アナルリーマー
「リーマーreamer」とは先端に複数の刃のついた円錐状の、板などの穴を広げる工具のこと。アナルリーマーはゆるいぎざぎざのついた円錐状の部分を肛門に挿入し、文字通りあなるを広げるもの。無理な挿入は禁物。
  • アナルプラグ
愛好家が用いる栓のようなもの。肛門に挿入する。そのまま服を着せて羞恥プレイに用いたり、浣腸の後に排便を我慢させるためににも用いられる。「アナル栓」、「ブットプラグ」とも呼ぶ。近年ではステンレス製で露出部に宝石やレリーフなどを埋め込んだファッショナブルな「ブットジュエル」と呼ばれるアクセサリー風のも登場している。また動物の尻尾付きのものもある。


[編集] 拘束具

身体を拘束し、その不自由さにより快感を得るプレイ(SMプレイなど)で使う拘束具がある。縄といったシンプルなものから、腕、脚、または口を強制的に開放するものまである。特に拘束する機能を有するボンデージというファッション形態も存在する。

これらでは直接的な性感よりも、着用者の精神的な部分に働き掛ける要素が大きく、愛好者にあっては愛撫前戯の一形態として扱われる傾向も見られる。

ただし、どのような器具を使うのも自由であるが、そのようなSMプレイは、相手を拘束することによって快感を得る者(S)と拘束されることによって快感を得る者(M)の間には、お互いの信頼関係があって初めて成立するプレイことであることを頭に入れておくべきである。当然のことながら、信頼関係なしでは犯罪である。

また拘束行為は、事故が発生して緊急にその拘束を解除する必要に迫られる事もあるので、拘束具を切断・解放するために鋭利な・または工具用のハサミを用意する事が望ましい。

[編集] 電気刺激具

近年登場した低周波治療器を性感帯に用いるもの。海外では専用の端子の数を増やし、出力をアップしたものが販売されている。また、パルス状の電流を性器に流す、という行為を好むマニアもいて、そのためのアンプと導電素材でつくられたディルドーやアナルプラグなども存在している。主に海外製品。

[編集] その他

性交で快感を得るための器具として、上のいずれにも分類しがたいもの。

スケベ椅子 
いわゆる浴室用の低い腰掛けであるが、腰掛けると丁度又下に手を入れることのできる空洞が空いている。ソープランドなどで一般的に見ることのできる備品であるが、ラブローションを使ったプレイなどでも滑らないよう、工夫も見られる。
ラブチェアー 
これも椅子の一種であるが、電動で腰の動きを代用させようというものもみられる。(なお「ラブソファー」は恋人や夫婦が愛を語らうための二人掛けのソファーのことで、この「ラブチェアー」とは異なる。)

このほかにも、医療用器具の類が一種のイメージプレイや倒錯プレイとして利用される場合がある(→イメージクラブ性的ロールプレイ)。

[編集] 使用上の注意

[編集] 電動器具の問題点

これら器具には粗悪な工業製品が多い事は前記の通りであるが、中には使用すれば負傷、死亡する可能性のある物まであるので、使用前に安全かどうか良く調べる必要がある。

  • 表面仕上げ
    プラスチック部分にバリが残っていることがある。もしバリがあった場合は、安全のため使用前にナイフやヤスリなどで削り落とす。
  • 強度の問題
    使用時に簡単に破損してしまうことがあるので、安全のため使用前に強度をチェックする。
  • 動作の問題
    モーターや電気コード・操作部分が異常過熱する場合がある。中には部品が溶け、火傷する可能性があるものも存在する。短時間の使用では問題なくとも長時間使用できない物もあるので注意を要する。
  • 防水性の問題
    バイブレータやロータの一部には防水仕様としているものがあるが、JISなど第三者機関での試験を行っているものはほとんどなく、安全性に問題があるものが多い。感電や器具の破損の危険があるので注意を要する。安全のためコンドームを被せて使用するのも一つの方法である。

[編集] 使用に際しての注意

相手への配慮 
男女間や同性間でこれら器具を用いる場合、相互の合意は必須である。当人の意思を無視して使用すれば、相手を心理的にも肉体的にも傷付ける結果になることがある。特に女性の中には、生殖器に本来異物であるこれら器具を挿入する行為に生理的嫌悪感を抱く人もいるため、男性の一方的な好奇心からこれら器具を使用すべきではない。女性への不意な使用から心理的ダメージを与え不感症に陥るケースも報告されている。
無理な使用 
女性生殖器や肛門を刺激する器具の多くは、必要以上に深く挿入できないような構造になっているものの、稀にそのような安全機能(フールプルーフ)を持たない製品がある。それらを深く挿入し過ぎた場合に、子宮口や直腸・S状結腸などを傷付け、その原因となった行為の羞恥心から医師への受診が遅れ、腹腔内の感染症を併発してに至るケースもある。
衛生上の注意
不衛生な工場で生産・梱包されていたり、長期間不衛生な倉庫に保管されている場合があり、購入時は器具をよく洗浄する。できればコンドームを使用し、共有はしない。また、肛門に使用した器具を、そのまま女性器に挿入するなどしてはならない。使用後の手入れは十分にする。

[編集] SMプレイでの使用

プレイの一環として、これら器具を利用する場合には、SMプレイ自体が一種の演技的なものの上にあり、またその根底には愛情と信頼が欠かせない事にも絡み、相手を慮っての使用が不可欠である。(→SM (性風俗)

SMプレイでは恥辱プレイのような精神的な物と、鞭で叩いたり縛ったり蝋燭を垂らしたりといったものが知られているが、これらはいずれも安全性を配慮した関連製品が市販されている。

例えば蝋燭では融点を低く抑えた物があるなどしていて、むしろ視覚的な要素に配慮して、赤い色などをしていたりする物も多い。しかし裸火を扱う事から、余り近付けすぎると本当に火傷してしまうため、充分な高さから溶けた蝋のしずくを垂らす事が奨められているなど、一定の「正しい使い方」も見られる。取扱説明書がある場合にはよく読み、理解した上で使用するべきである。

また拘束具の項でも記述している通り、緊急時にすぐに拘束を解けるような配慮も欠かせない。一刻を争う急性疾患で出来るだけ早い医療機関への搬送が必要であるのに、「余りに恥ずかしい格好」のため119番通報が遅れてしまった例もある。

日本ではロープで縛る行為も人気だが、これらの縛り方も専門筋では「出来るだけ一本のロープで、結び目は必要最小限に」が鉄則となっていて、緊急時にはロープの一箇所を切るだけで、すぐさま全体が解けるようになっているという。専門の書籍やビデオ教材では安全な縛り方を扱ったものも見られるので、関心のある向きは徒(いたずら)に無闇に形だけを真似たりせず、それらを専門の資料を参考に、安全にプレイすることが推奨される。

精神的なプレイである「放置プレイ」でも同様である。緊急時にはすぐに救助できるよう、充分な配慮を心掛けなければならない。特に拘束したまま放置した場合には、静脈血栓塞栓症になる可能性もある。このような配慮が無いプレイは、単なる虐待に過ぎないと言える。

[編集] 関連項目

新婚旅行で、性的な経験の浅い男性がポルノ作品の影響から、新婚初夜で大人のおもちゃを出してしまい、あらぬ誤解を招いて破局を迎えたという痛ましく情けない話が聞かれる。
倒錯プレイの一種である。元来異物である大人のおもちゃの使用も、これの類型に含まれる場合がある。

[編集] 外部リンク

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