飛んでイスタンブール
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飛んでイスタンブールとは、1978年にちあき哲也作詞、筒美京平作曲、庄野真代の歌で発表されたポップスの楽曲である。
「飛んでイスタンブール」は題名であると共に、本作の中盤のサビにでてくる歌詞の一節である。筒美のエキゾチックな曲風と庄野の伸びやかな美声で大ヒットとなり、庄野は本作で第29回NHK紅白歌合戦の出場を果たした。今でも庄野の代表曲として有名で、広く歌い継がれている。
本作は失恋した女性のセンチメンタル・ジャーニーを描いた歌だが、歌詞の中にトルコのイスタンブールとは地理学上まったく無関係な「砂漠」が登場していて、作詞者(歌った庄野は関係ない)が十分な知識でこの曲を作ったかは、甚だ疑問である。おそらく、中近東という「アラビアンナイト」などによって形成された漠然としたオリエンタリズムで作詞したと思われる。
本作が大ヒットした当時は、日本人にとって海外旅行がようやく身近なものになり、また、平尾昌章&畑中葉子の「カナダからの手紙」や久保田早紀の「異邦人」もヒットしていて、本作も「海外旅情」「無国籍ポップス」の流行の最先端の1曲だった。
本作の大ヒットにより日本におけるイスタンブールの知名度は飛躍的に上がり、日本人にとって「トルコといえば『飛んでイスタンブール』」と云われる程になった。ところが、本作が有名になりすぎてトルコの首都はイスタンブールであるという誤解(トルコの首都はアンカラ)も生まれる結果となった。 近年、日本にはトルコ人が多数入国し住んでいるが、彼らが日本人にまず会って開口一番に言われるのが「トルコ風呂」とこの「飛んでイスタンブール」である。
なお、当時は日本からイスタンブールへの直行便はなく、簡単に「♪飛んでイスタンブール♪」というわけにはいかなかったが、今では日本-トルコ間にトルコ航空便が就航していて、まさにこの歌のようにトルコを訪れる日本人観光客が増えている。
[編集] 関連項目
- つボイノリオ:「飛んでスクランブール」
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