飛龍の拳
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ジャンル | 格闘アクションゲーム |
対応機種 | ファミリーコンピュータ スーパーファミコン ゲームボーイ プレイステーション NINTENDO64 |
開発元 | カルチャーブレーン |
人数 | 1人、2人(対戦時のみ) |
メディア | カートリッジ CD-ROM |
『飛龍の拳』(ひりゅうのけん)はカルチャーブレーンより発売されたファミコン用の格闘アクションゲーム。 また、ゲームに登場する必殺技の名称である。 スーパーファミコン、プレイステーション等で続編が多数作られている。
目次 |
[編集] 概要
元々はアーケード用の格闘ゲームで、相手の隙と自分が狙われている箇所が丸印で現される『心眼』と呼ばれるシステムを採用している。 丸印は上段・中段・下段に現れ、十字キーとボタンを使用して相手の隙を狙って攻撃をしたり、狙われている箇所を防いだりすることが出来る。
相手にダメージを与える事で増えていくKOゲージが100になると『闘気』や『飛龍の拳』を放つことが出来るようになる。
アーケード版は格闘部分のみだったが、ファミコンに移植された際にアクションゲームの要素が加えられ、以後のシリーズはほぼアクションゲーム+格闘ゲームの内容に統一された。
『飛龍の拳II』からは、『変身』や『法力』といった新しい要素が加わった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
- 『飛龍の拳』ストーリー
- 中国の秘境、龍飛峰に生まれ育った少年・龍飛(りゅうひ)。
- 育て親である寿安老師(じゅあんろうし)は謎の組織・龍の牙(りゅうのきば)の手にかかり必殺奥義『飛龍の拳』の奥義書を奪われてしまった。
- 老師はただ一つ取り戻した『心眼の書』を「少林寺の貫主・元涯(げんがい)に渡せ」と言い残し、息を引き取った。
- そして、龍飛は老師の最後の言葉に従い、少林寺へと旅立った。
- 少林寺で元涯より心眼の極意を伝授された龍飛は、龍の牙より奥義の書を取り戻すため異種格闘技世界大会へ挑む。そして、幾多の戦いの中で龍飛は宿敵・龍の牙が世界征服を企む暗黒界の手先であることを知ったのである。
- 龍飛は異種格闘技世界大会の決勝戦まで勝ち進み、龍の牙の総帥・龍魔王フーズ・フーとの決戦に臨むのであった。
- 『飛龍の拳II ドラゴンの翼』ストーリー
- 世に光と闇という二つの力が溢れていたはるか昔、魔界の大王・大魔神は黒き鎧に身を固めた兵士を率い、天界征服の戦いを始めた。
- 英雄・龍天大聖(りゅうてんたいせい)の勝利により天界は救われ、大魔神は曼荼羅(まんだら)の力で封印されたが、大魔神は「赤き凶星来るとき、我必ずや復活せん」という予言を残した。
- 龍天大聖は大魔神の復活を阻止するため、五人の龍戦士を地上に遣わしたのであった。
- 龍魔王フーズ・フーとの死闘を繰り広げた異種格闘技世界大会より四年…。
- 青年・龍飛は中国の秘境・龍飛峰で修行に励んでいた。
[編集] 登場人物
- 五人の龍戦士
- 大魔神を討ち滅ぼした龍天大聖が大魔神の復活を阻止するために地上へ遣わした五人の戦士。変身することにより鎧のような衣装に身を包み、法力を使用することができるようになる。『飛龍の拳III』からは武器を使用する。
- なお、龍戦士という設定は『飛龍の拳II』から登場した。
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- 龍飛(りゅうひ)
- 主人公。中国・龍飛峰で育て親でもある寿安老師に拳法の師事を受けていた。必殺の奥義である「飛龍の拳」を使いこなす。龍戦士の一人として大魔神復活を企む龍の牙と戦う。黄金龍の化身。使用する武器は双剣。
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- ミンミン
- 龍戦士の一人で麒麟の化身、拳法界の天才少女と評される。龍飛同様、父親を龍の牙に殺害される。『飛龍の拳』では龍飛のライバルだった。使用する武器は双剣。
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- ハヤト
- 龍戦士の一人で鳳凰の化身。熊を相手に修行を積む日本出身の空手家。龍飛とはライバルであったが、龍戦士として目覚め共に戦う。使用する武器は棍。
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- ワイラー
- 龍戦士の一人で獅子の化身。龍戦士の中では最年長。CIAに所属している。生物兵器研究所の第一次調査隊の最後の生き残りで、龍飛たちと出会い龍戦士として覚醒する。使用する武器は棍。
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- 昇龍(しょうりゅう)
- 龍戦士の一人で白金龍の化身。龍戦士の中では最年少。世界的に有名なゴーストハンター「征魔団」の長でもある。
- 誰かに似ている。使用する武器は双剣。
- 龍の牙
- 大魔神復活を企む集団。魔界衆とも呼ばれる。龍戦士及び少林寺とは敵対関係にある。
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- 龍魔王フーズ・フー(りゅうまおう-)
- 龍の牙の長で龍飛の永遠のライバル。普段は人の姿をしているが、龍の様な頭を持つ。
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- 牙龍獣士六人衆(がりゅうじゅうしろくにんしゅう)
- 魔妖少女ゾラ、妖魔師タロン、牙戦士トルド、妖獣ペボラ、魔妖獣カーリー、龍鬼飛獣ゴードンの六人。
- 『飛龍の拳』にて道中の龍飛を襲う。
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- 五大明王(ごだいみょうおう)
- 破壊明王アイゼン、暴風明王クジャク、冥界明王グンダリ、剛力明王コンゴウ、邪計明王ヤシャの五人。
- 『飛龍の拳III』に登場する。
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- 金剛七部神(こんごうしちぶしん)
- 『飛龍の拳スペシャル ゴールデンファイター』のエンディングにて明らかにされた存在だが、以降のシリーズでは『飛龍の拳SD』に登場するケンダラが金剛七部神の一人であることが判明しているのみである。
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- 牙闘士(きばとうし)
- 龍の牙に所属する戦闘員。法力は使えず、闘気と飛龍の拳を使用する。
- 世界大会などで姿を偽って龍飛に戦いを挑む者もいるが、特定の方法で姿を暴くことができる。
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- 邪神ナーガ(じゃしん-)
- ペルーの生物兵器研究所で作られた魔獣。『飛龍の拳II』に登場する。
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- 大魔神(だいまじん)
- かつて天界の征服を目論んだ魔神。龍天大聖に敗れ、封印される。
- その他
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- 寿安老師(じゅあんろうし)
- 龍飛の育ての親。龍の牙に殺害され、自らが編み出した奥義「飛龍の拳」の奥義書を奪われてしまう。
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- 元涯(げんがい)
- 少林寺の貫主。龍飛に心眼の極意を伝授する。
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- 龍天大聖(りゅうてんたいせい)
- 過去に大魔神との戦いに勝利し、大魔神を曼荼羅の力で封印した天界の英雄。
[編集] 必殺技
敵に攻撃を与えるたびに(シリーズによっては攻撃を防御する事により)KOゲージが増えていき、100(ゲージが満タン)になると各種必殺技を使うことが出来る。 数回必殺技を使用したり、ダメージを受けるとKOゲージは減少する。
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- 闘気(とうき)
- 気を弾に換えて相手に飛ばす。主に牙闘士が好んで使用する。
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- 飛龍の拳(ひりゅうのけん)
- 宙に舞い上がった後、相手に飛び掛るように蹴りを繰り出す必殺の奥義。龍戦士だけでなく、龍の牙も使用してくる。
- 成長する事によって、軌道が変化したり分身が発生するなどの変化が起こる。
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- 法力(ほうりき)
- 『飛龍のII』より登場した必殺技。天界の技と呼ばれ、マントラを唱える事により衝撃波のような技を繰り出す。グラフィックは炎や雷など様々なものがある。使用できるのは龍の牙に対してのみで変身しないと使用できない。
- ガードする事は可能だが、変身していなかったり各法力に対応した鏡を持っていないとガードしてもダメージを受けてしまう。
[編集] シリーズ
- アーケード版
- 北派少林 飛龍の拳
- ファミコン版
- 飛龍の拳 奥義の書
- 飛龍の拳II ドラゴンの翼
- 飛龍の拳III 五人の龍戦士
- 飛龍の拳スペシャル ファイティングウォーズ
- スーパーファミコン版
- 飛龍の拳スペシャル ゴールデンファイター
- 飛龍の拳スペシャル ゴールデンファイター ハイパーバージョン
- SD飛龍の拳
- 飛龍の拳外伝
- SD飛龍の拳外伝
- SD飛龍の拳外伝2
- SD飛龍の拳EX
- 飛龍の拳烈伝GB
- バーチャル飛龍の拳
- 飛龍の拳ツイン
- SD飛龍の拳伝説
『飛龍の拳』は過去に多くシリーズ化されていたが、その一方で開発中止になったシリーズも多数存在している。
- 開発中止になったシリーズ
- 飛龍の拳1・2・3プラスワン
- 飛龍の拳プロ
- SD飛龍の拳エピソードI 奥義の書
- バーチャル飛龍の拳ダッシュ
- 飛龍の拳ジーオン
- 飛龍の拳スタジアムDD・SDバージョン
- 飛龍の拳スタジアムDD・リアルバージョン
- SD飛龍の拳伝説EX
- 新格闘術 飛龍の拳列伝
- 飛龍の拳伝説GB・SDバージョン
- 飛龍の拳伝説GB・リアルバージョン
[編集] アーケード版『飛龍の拳』について
アーケード版『飛龍の拳』は日本国内ではタイトーから発売され、 当時のゲームセンターには比較的多く出回っていた模様である。 しかし、コピー対策としてプログラムの一部をROMではなくRAMに書き込み、それをバッテリーバックアップという形で基板上に搭載していた為、時間が経過すると電池の寿命によりRAM上のプログラムのデータが消失し、ゲームが動かなくなってしまうという仕様になっている。 その為、現在では完動する基板があまり残っておらず、その完動基板もRAMからプログラムを吸い出してROMに書き込んで乗せ換えたいわば改造基板とも言える代物である。 (開発元に電池が切れた基板の在庫が山のように残っていたとの逸話もある)
ちなみに海外では『SHANGHAI KID』のタイトルでデータイーストから発売されていた。