食器洗い機
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食器洗い機(しょっきあらいき)は、厨房設備(台所設備)の一種。
現在のものは、食器を洗い終わった後に、熱風で乾燥させる(殺菌効果も非常に高い)ため、食器洗い乾燥機と呼ばれるタイプのものが主流。
システムキッチンなどに組み込むタイプ(ビルトインタイプ)、電子レンジの様にキッチンの片隅などに置く卓上タイプがある。
食器洗い機の普及によって家事負担が減る一方で、「食器を手で洗うという作業を知らない若い人が増えた」「文化の破壊につながらないか」という反対意見もある。
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[編集] 概要、特徴
- 汚れた食器を、一定の法則に従って並べ、粉末状の専用洗剤を入れ(メーカーによっては、通常の台所用洗剤が使用可能なもの、塩が洗剤の代わりになるもの、洗剤を使わなくてもある程度汚れが落ちるものなどがある)スイッチを入れることにより、数十分から一時間ほどで、洗浄、すすぎ、乾燥が行われる。
- 普及し始めた当初は、「水道代や電気代がかかりそう」「音がうるさいだろう」「本当に綺麗になるのか心配」などの声が強かったが、実際は、本体内に貯めた水を加熱し、洗浄する→排水、新しい水を入れ、加熱、洗浄→排水、すすぎのための水を入れたのち、すすぎ、というサイクルをたどり、水を流しっぱなしにするわけではなく、手洗いの場合の数分の一の水量しか使わない。
- 通常の手洗いでは使用出来ない温度(摂氏70℃から85℃)の高温を使うことにより、油汚れを効果的に落とすと共に、水道では出せない高圧水流で、人の手やスポンジでは届かない部位までしっかりと汚れを落とすことが出来る。また、高温洗浄・高温乾燥は、食器の殺菌効果が非常に高く、幼児がいる家庭で需要が高い。
- ただし、専用の洗剤の中には、研磨剤が入っている場合が多く、高価な食器や漆器、美術的価値のあるもの、上薬をかけてある食器には使用が出来ない点や、正しくノズルに向くように並べる必要がある点は、気をつけなければ行けない。
[編集] 歴史
史上初の食器洗い機は、1860年、アメリカの男性によって木製のものが開発された。ただし、これはハンドルを回転させることで、使用済みのお皿の上に水がかかる仕組みであり、実用に耐えるものではなかった。
その後、1893年にジョセフィン・コクラン婦人が作った手動式の食器洗い機が、実用にも使えると言うことで世に広まっていく。
1909年、ゼネラル・エレクトリックが電動式の食器洗い機を発売した。
[編集] 日本
日本では、1960年(昭和35年)の松下電器によって第一号が発売された。しかし、装置が大きく、仕組みも大がかりであったため、ほとんど定着はしなかった。
その後、製品に改良が加えられていき、また、1980年代における女性の社会進出が家事負担の軽減といったニーズを生み出し、食器洗い機は日本の家庭へ普及していく。
現在の卓上型食器洗い機は、日本の住宅事情に適応したコンパクトなサイズ、優れた省エネ性、騒音の小ささなどから、海外でも人気が高い。
[編集] 騒音の順位
(30dB→静かな公園、40dB→うるさい図書館、標準モードでのdB)
2004年10月19日現在
35dB | NP-60SS5・NP-50SX3・NP-60SX5 (National)
DW-SX3000(A)・DW-SX2500(S)・DW-SX4000 (SANYO) |
38dB | EUD500 (TOTO)
KF-W70EX (HITACHI) EW-CS51・EW-CS5 (三菱電機) DW-SX2600(W) (SANYO) |
39dB | EUD350・EUD330・EUD320・EUD210 (TOTO)
KF-S60EX・KF-S60S (HITACHI) DW-S2100 (SANYO) NP-40SX2 (National) |
40dB | DWS-55X5・DWS-53Z3・DWS-70DY・DWS-60X6 (東芝) (おやすみコース時38dB)
QW-A70 (SHARP) (ナイトモードで38dB) QW-SV1 (SHARP) (イオンコース・オートモードで37dB) |
42dB | BW-FS80・BW-FA51 (象印)
QW-A60 (SHARP) (ナイトモードで39dB) |
55dB | JW-12A (ホシザキ電機) |