高名な依頼人
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高名な依頼人 (The Adventure of the Illustrious Client、1927年)は、アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ作品の1つ。「ストランド・マガジン」1925年2月号初出。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
"聖典"には1902年9月3日に始まった事件と記されている。
ド・メルヴィル将軍の娘ヴァイオレット・ド・メルヴィルが、ヨーロッパ大陸で女性に対する数々の悪事をはたらいたグルーナー男爵にだまされて婚約してしまう。この婚約を破談にするように、「非常に高名な、非常に身分の高い」ある人物から依頼がある。
グルーナー男爵の過去の悪事を自ら記したノートがあると情報屋シンウェル・ジョンソンからシャーロック・ホームズは聞き、それを奪い取るために画策するが、ある日二人組の暴漢に襲われて大けがをしてしまう。ホームズは怪我から順調に回復していくが、ワトスンに指示して、怪我が重傷で瀕死の状態であるように見せかける。
グルーナー男爵が金曜日にアメリカに向かうという報道を見て、ホームズはワトスンにグルーナー男爵のコレクションである中国陶器の研究に没頭するようにいう。翌日、ワトスンは中国陶器のコレクターに変装してグルーナー男爵に会い、ホームズはその隙にグルーナー男爵のノートを見つけ出そうとする。
[編集] 高名な依頼人
作中では依頼者が誰か明示されていないが、ワトスンの記述などから当時の英国国王エドワード7世であるというのが定説である。
なお、エドワード7世は即位以前からホームズの力を借りていたことが何度かあったと考えられている。例えば、緑柱石の宝冠で依頼人である銀行頭取に宝冠を預けたとされる人物、またはバスカヴィル家の犬の中でホームズが「この国で最も身分の高い人物が脅迫されている」と語った際の人物とは当時はまだ皇太子であったエドワード7世であったと思われる。
さらに、ホームズはエドワード7世の母であるヴィクトリア女王とも関連がある(ブルースパーティントン設計書)。