緑柱石の宝冠
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緑柱石の宝冠 (The Adventure of the Beryl Coronet、1892年)は、アーサー・コナン・ドイルの小説シャーロック・ホームズシリーズ作品の1つ。「ストランド・マガジン」1892年5月号初出。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
大銀行の頭取のホールダー氏は、ある高貴な人物の訪問を受ける。その人物からの借金の担保として英国で最も貴重といわれる緑柱石の宝冠を預かることになった。預かった宝冠は家に置いていたが、ある晩、ホールダー氏の息子がその宝冠を手にしており、しかも宝石が3個なくなっていた。ホールダー氏は息子が宝石を盗んだと断言するが、ホームズは真相は別のところにあると推理していく。
[編集] 宝冠を預けた人物
ホールダー氏にこの宝冠を預けた人物については作中で「英国で最も身分の高く、最も高貴な人物の一人」「世界中に知れ渡っている名前」と言及されているが、具体的な氏名についての記述はない。しかし、研究者の間では当時の英国皇太子すなわち後のエドワード7世であるとの説が有力である。
なお、エドワード7世については即位後の事件である高名な依頼人にも関わっている。名前こそ明示されていないものの作中の「高名な依頼人」がエドワード7世その人であることは、もはや常識となっている。