高橋新吉
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高橋 新吉(たかはし しんきち、1901年(明治34年)1月28日 - 1987年(昭和62年)6月5日)は、日本のダダイスト詩人。愛媛県伊方町出身。八幡浜商業学校(現・愛媛県立八幡浜高等学校)中退。1920年(大正9年)「萬朝報」の懸賞短編小説に『焔をかゝぐ』で入選、小説家としてデビュー。その後詩作に転ずる。
若い頃の性急なダダから、次第に、仏教・禅に興味を向け、独自の誌的境地を開いて「ダダの新吉」と呼ばれた。
彼の詩の中で知られているものは、『るす』などがある。詩の中で、5億年とは、弥勒菩薩が地上に現れるまでの期間をさす。仏教に心酔した新吉が、ダダの形式にこだわらない方法を使って表現した名詩であろう。
ダダイズムの時代の詩として有名な『皿』の冒頭三行は皿の字を縦に重ねて、洗わなければならない皿が積み重なっている様子を視覚的に表現している。
[編集] 受賞歴
- 1973年-芸術選奨文部大臣賞(『定本高橋新吉詩集』)
- 1982年-第15回日本詩人クラブ賞(『空洞』)
- 1984年-愛媛新聞文化賞
- 1985年-藤村記念歴程賞
- 1986年-愛媛県教育文化賞