鬼の棲家
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鬼の棲家(おにのすみか)は、1999年1月12日から3月23日にかけて、フジテレビ系列で毎週火曜日午後8時から8時54分の時間帯(JST)に放映された連続テレビドラマである。サブタイトルは「Don't be a cry baby」。製作段階での仮タイトルは「負けないもん!」。全11話、主演は深田恭子。
目次 |
[編集] ドラマ紹介
両親を亡くした主人公が身を寄せた親戚の経営する旅館・贅水館を舞台に繰り広げられる厳しくも心温まる物語である。 制作側の意図としては当時、「世界で最も恵まれていると言われる日本の女子高生を、最も過酷な生活環境におとしめることで、『強く生きる』というテーマを追及する」とあり、当時の世相に対する憂さ晴らし的要素も介在したことが窺える。
[編集] 主要なキャスト
- 加藤あゆみ - 深田恭子:主演
- 旅館の主:黒川幸彦 - 生瀬勝久
- その妻:黒川尚子 - 岡江久美子
- 悪徳代議士:佐々岡賢造 - にしきのあきら
- その息子:佐々岡 譲 - 藤木直人
- 加藤高志 - 三觜要介
ほか
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
都会で何不自由なく平和な日々を送ってきた高校生加藤あゆみ。突然の交通事故で両親を失った彼女の生活は一変した。親族会議の結果、あゆみは父の妹・黒川尚子夫妻の贅水館(ぜいすいかん)へ、9歳の弟・高志は遠く青森の親戚宅へ預けられる事となる。叔父・黒川幸彦に連れられ贅水館入りしたあゆみ。挨拶回りをするも周囲の空気が冷たい。翌日、それまで通りに高校へ登校する気でいたあゆみに渡されたのは仲居の制服であった。ここから安穏と日々を過ごしてきたあゆみの、いじめや試練に耐え、傷つき、恋し、成長していく日々が始まったのだ。
一方、青森へ向かった高志も歓迎されない状況は同様で、幼い分だけ堪えきれなかった高志は青森の親戚宅を飛び出し、一人あゆみの元へ向かう。贅水館の黒川家一同からの、それぞれの立場による様々な障害をなんとか乗り切って再会する姉弟。鬼の棲家にありながらも同僚仲居のリーや代議士の息子・譲の協力もありなんとか一緒に暮らし始めた二人だったが、幸彦達の仕打ちは益々過激になる。お荷物が増えたと考える幸彦は食事も満足に与えずに仕事を倍増させ、結果あゆみは倒れてしまう。「このままでは二人とも…」苦悩の末あゆみは、名乗りを上げていた沢嶋家に高志の養子縁組を承諾してしまうのだった。当初、惚れ込んで養子縁組を持ちかけたかに見えた沢嶋家。しかし裏では、青森の親戚が高志を三百万で売っていたのだった。事実を知り愕然とするあゆみ。そこへ高志からの助けを求める電話が…。高志を救う三百万を借りるため、悪徳代議士(譲の父)佐々岡に抱かれる決心をするあゆみであったが…。
そんな最中、大女将の容態が急変し急逝する。最後に残した言葉は「尚子にやるくらいなら(旅館は)あゆみにゆずる」というものだった。突然の話に決心など出来ないあゆみ。しかしリーの「これで弟さんと暮らせるじゃない」という言葉に女将就任を決意する。早速女将業に忙殺されながらも懸命に仕事を覚えるあゆみ。なんとか高志を取り戻そうとするものの沢嶋家はなかなか手強い。一方では仲居頭の千寿子が「あゆみが女将なんて認める事ができない」と辞め、警察に踏み込まれてリーも行方を眩ます。そんなこんなでバタバタとなった贅水館に追い打ちをかけるように幸彦の口から衝撃の事実が語られ、譲や高志との関係が一変するのだった…。
[編集] 登場人物
- 主人公:加藤あゆみ(16) - 深田恭子:主演
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- イマドキの女子高生らしく、都会で何不自由なく育ってきたが両親の事故死によって突然の試練の日々に。様々な困難を乗り越え、女将となって旅館を守りきる大人に成長する。
- あゆみの弟:加藤高志(9) - 三觜要介
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- 姉同様、突然の運命に翻弄され青森の親戚宅、養子先と虐待されつつも姉を信じけなげに生きる。が、その姉との関係が…。
- 贅水館の主:黒川幸彦(40) - 生瀬勝久
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- ある事情をきっかけに心が荒み、旅館に恨みを抱きながら経営してきた。あゆみ達の事は食い扶持が増えた厄介者に思っているようだったが、あゆみを憎悪し辛くあたるのには理由もあったのだ…。
- 贅水館の大女将:黒川静枝(72) - 伊藤幸子
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- 昔気質の典型的な女将だったが、既に高齢で介護される状態になっている。旅館をあゆみに譲ると遺言し急逝。
- 贅水館の女将:黒川尚子(42) - 岡江久美子
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- あゆみに厳しく接する女将。かつて旅館の困窮を救う為にその身を…。実はあゆみの…。
- 黒川家の長男:黒川和之(19) - 小橋賢児
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- オタッキーな浪人生で、ことあるごとにあゆみの巨乳を狙う。
- 黒川家の長女:黒川百合子(17) - 中村愛美
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- 我が儘いっぱいに育った高慢娘だが、一方では幼い頃より一途に護を慕い結婚を夢見てきた。
- 贅水館の板長:池田 - 中村育二(劇団カクスコ)
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- 旅館の現況には不満一杯なのだが幸彦には逆らえない小心者。
- 贅水館の従業員たち - 劇団カクスコ(岸博之、井之上隆志、山崎直樹、近藤京三、原田修一)
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- 板長同様不満もあるがさらに立場が弱く…。女将や板長、仲居頭に従うしかない。
- 贅水館の仲居頭:高原千寿子(54) - 江波杏子
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- 大女将同様、昔気質な職人タイプの仲居頭。あゆみを厳しく躾ける。最終回の状況から、若い時分には芸者修行も積んだものと推測される。
- 贅水館の仲居:リー(24) - ケリー・チャン
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- 不法就労のアジア人。影からあゆみを支え励みとなる。
- 贅水館の仲居:金本理恵子(17) - 星野真理
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- 年下で新米のあゆみを何かと利用し要領よく仕事の手を抜く先輩仲居。
- 悪徳代議士:佐々岡賢造(51) - にしきのあきら
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- その地位をフルに悪用するストーリーの諸悪の根源である。が、実は…。
- 代議士の息子:佐々岡 譲(26) - 藤木直人
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- 父とは正反対の好漢。あゆみを影に日向に支えるが実は…。
[編集] スタッフ
[編集] 主題歌
- 「曇りのち晴れ」SIAM SHADE
[編集] 制作を通して
- 女優陣では、主演した深田恭子の人気を不動のものとしたドラマ、また、「GTO」から続く中村愛美のイジメキャラ、さらには星野真里がイジメる側を演じていると言った点が特徴としてあげられる。
- 男優陣では、舞台を中心に活躍してきた生瀬がテレビドラマへの本格出演を始めた初期の作品であり、小橋賢児、藤木直人といったこののちに本格的にブレイクしていった役者達が経験を培った作品でもある。
- また、江波杏子、にしきのあきらと言ったベテラン俳優や、その方面では伝説とまで言われた劇団「カクスコ」の6人がしっかりと脇を固め、ともすれば陳腐なお涙頂戴劇になりかねないストーリーを丁寧に仕上げた。
- 「神様もう少しだけ」でブレイクした深田恭子を主演に抜擢した本作だが、「神様~」ほど視聴率は振るわなかった。また放送当時、旅館で働く主人公がいじめられ、それを乗り越えてゆくというストーリーに対し旅館、ホテル業界からクレームが多数寄せられ、打ち切りこそ回避されたが、未だに再放送はされていない。
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
フジテレビ系 火曜20時台(1999年1月 - 1999年3月) | ||
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