黒ベエ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウィキポータル |
日本の漫画作品 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『黒ベエ』(くろベエ)は、藤子不二雄Aのブラック・ユーモア漫画である。
[編集] 概要
1969年(昭和44年)より約1年間週刊少年キングに連載された。この数年前に発表された『黒ィせえるすまん(後に『笑ゥせぇるすまん』と改題)』のモチーフを少年誌向けにアレンジした印象を受ける作品。
この物語は謎の小男黒ベエが、行く先々で出会う人の悲喜こもごもの人生に、ちょいとばかり手出しをしてその方向性を弄ってしまう物語。先の『黒ィせえるすまん』に似た、奢る利己主義の人間の鼻柱を折るような諷刺色と、後の『魔太郎がくる!!』に見られる、嫌らしい敵に復讐して倒していくカタルシス感を組み合わせたような雰囲気を持つ作品となっている。
黒ベエは「影使い」である。自分や他人の影を自在に操る超能力を持っているほか、自らが影となって他人に取り憑くことも出来る。また、読心術や念力も自在に使いこなせる。彼の役割は純粋な狂言回しに徹することもあれば、ファンの間では有名なエピソード「梶一郎の受難」のように日常現実で眼にする程度の、「ちょっと我が儘でプライドを尖らせた」程度の輩に、見ていて寒気を覚えるような陰湿な手口で追い込みをかけ(しかもそれが実際に出来るような手段である)、人生を破滅させてしまうこともあるなど、主人公ながら各話によって雰囲気の落差が大きい。
『ブラック商会変奇郎』『オヤジ坊太郎』『夢魔子』『狂人軍』『仮面太郎』そして『笑ゥせぇるすまん』『魔太郎がくる!!』といった、藤子不二雄Aによる一連のブラックユーモア作品群の基礎の一端を担った作品と言える。
なお、藤子・F・不二雄の『ジャングル黒べえ』とは、タイトルの類似で一般的に混同されることが多い。
[編集] あらすじ
スーツとマントを着込んで山高帽を被り、ハゲワシ(ハゲベエ)を連れた謎の小男黒ベエ。自分や他人の影を自在に操る超能力を持った彼は、行く先々で出会った、少々むかっ腹の立つ人々に徹底的な嫌がらせや仕返しを行い、その人の人生を破滅させていくこともあれば、運命に翻弄される人の人生に少々手助けをすることも・・