ジャングル黒べえ
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『ジャングル黒べえ』(ジャングルくろべえ)は、藤子・F・不二雄の漫画、および同作を原作としたテレビアニメ。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 内容
アフリカの密林に住むピリミー族(ピグミー族のパロディ)大酋長の息子である黒べえ(原作での本名「クロンベンボコメッチャラクッチャラホイサッサ」、アニメ版「クロベンボコ・ベロチョンタ・ベンボコリンコン・ブラブラボロリン・ボロボロボロリン・バエボコロンタラ・タラレロレンベエ」)が、飛行機を大きな鳥と勘違いし、捕らえようと車輪にしがみついたものの日本上空で力尽きて落下し、落ちた先 = 佐良利家で看病されたことを機に、佐良利家に恩返ししようと得意の魔法や呪術で騒動を巻き起こす、というギャグタッチの物語。
[編集] 作品ができるまで
本作は藤子作品としては珍しくテレビアニメ化企画が先行した作品で、過去『オバケのQ太郎』等一連の藤子作品を手掛けてきた東京ムービーが制作を担当。藤子はシノプシスと漫画連載を担当した。
また、このキャラクターの原案は宮崎駿によって考えられたものである。ただし、宮崎が出したアイデアは「アイヌ神話のコロポックル(ホビット)と人間の交流を描く」という、本作とは全く異なるものだった。とはいえ、黒べえの身長が極端に低いのは、宮崎案の名残と言えるかも知れない。
演出を当時マッドハウスに在籍した出崎統が担当し、独特のシュールな演出と主人公黒べえを演じた肝付兼太の快活な演技(特に黒べえが魔法を使う時の掛け声「ウラ・ウラ・ベッカンコ」は流行語になった)、そしてテンポの良い主題歌等が印象的なアニメとなった。
ちなみに、テレビの企画先行という事情もあり藤子は「なかなかキャラクターに感情移入出来なかった」と後に語っている。
[編集] 放送時期など
本作のテレビアニメ版は1973年3月2日から同年9月28日まで毎日放送制作、NETテレビ(現:テレビ朝日)系列(中部地区は放映途中に中京テレビ→名古屋テレビへ移行)で毎週金曜日の19:00 - 19:30に放送。30分の1回に2話形式で全31回(合計61話…第25回のみA・Bパート連続)。
本放送時は裏番組に『ウルトラマンタロウ』があったこともあり、あまり人気が出なかった。ちなみに後番組は同じ東京ムービー制作、出崎統演出の『エースをねらえ!』である。
[編集] 連載
漫画連載はアニメ版に合わせて1973年3月から同年12月まで、小学館の各学習誌(よいこ、幼稚園、小学一年生~小学五年生)に連載されたが、長らく単行本は発売されず、同じ藤子・F・不二雄原作のギャグ漫画『バケルくん』第2巻の巻末に一部が同時収録されたに過ぎなかった。1988年に中央公論社より発刊された藤子不二雄の作品集藤子不二雄ランド第175巻として一冊に収録されて出版。
[編集] 放送後
本作は、1989年7月に黒人差別をなくす会が同じく藤子作品である『オバケのQ太郎』の「国際オバケ連合」の回の描写が黒人差別であると指摘。これを受けて、藤子プロ、単行本を出版していた小学館、中央公論社は、『オバケのQ太郎』の当該エピソードが収録された単行本を増版中止・回収措置をとったが、この際に余波や後難を避けるため、抗議や指摘がなかった本作を同時に自主回収したと見られている。その後、本作を「封印」扱いにし、単行本は絶版、『バケルくん』第2巻に収録された一部エピソードや藤子不二雄の漫画百科等も別作品に差し替え、アニメ版は放送を自粛し、事実上闇に葬られてしまった作品となった。
なお、自主回収について出版社による公式な説明はなされておらず、公には単なる「販売元品切れで重版は未定」として扱われている。本作の出版がなされなくなった経過についてライターの安藤健二が取材を行い、『国際オバケ連合の抗議を受けた出版元が「黒人差別をなくす会」の背景に部落解放同盟などの同和団体があると思い込んで萎縮し、自主回収の形で葬ったようである』との結論に至ったが、関係者の証言を得て事情を明らかにするまでには至らず、依然詳細は不明のままである。復活を願う声も未だ多い。
主題歌はアニメ主題歌オムニバス等で現在も入手可能であり、稀にテレビでも流れることがある。アニメに関しても権利元としては放送禁止にしていないというスタンスだが、近年では再放送及びソフト化の予定はない。
[編集] キャスト
- 黒べえ:肝付兼太
- 佐良利しし男:杉山佳寿子
- パオパオ:水鳥鉄夫
- 赤べえ:桂玲子
- ガック:堀絢子→山本嘉子
- タイガー:山下啓介
- オカラ:堀絢子
- たかね:恵比寿まさ子
- しし男のママ:増山江威子
- しし男のパパ:矢田耕司
- 先生:大竹宏
[編集] スタッフ
- 企画・プロデューサー:楠部三吉郎、引野芳照、石井照子
- 作画監督:椛島義夫、北原健雄、杉野昭夫
- 美術:福田尚朗、龍池昇、小林七郎
- 撮影監督:三沢勝治
- 音楽:三沢郷
- 録音監督:千葉耕市
- 演出:出崎統
- 制作協力:Aプロダクション、映音、東京アニメーションフィルム、東京現像所
- 制作:東京ムービー、毎日放送
[編集] 主題歌
- OP 「ジャングル黒べえの歌」歌手:大杉久美子、作詞:藤子不二雄、作曲:三沢郷
- ED 「ウラウラ タムタム ベッカンコ」歌手:大杉久美子、作詞:藤子不二雄、作曲:三沢郷
[編集] 関連書籍
- 『動画王 Vol7』(1998年、キネマ旬報社) ISBN 4873765072 - 当時Aプロ社長だった楠部大吉郎のインタビューを掲載。
- 大塚康生『リトル・ニモの野望』(2004年、徳間書店)ISBN 4198618909 - Aプロに在籍した大塚康生が企画経緯について記述。
- 安藤健二『封印作品の謎2』(2006年、太田出版) ISBN 4778310063 - 絶版の真相について関係者の取材を行っている。
[編集] 外部リンク
- 出崎統監督インタビュー(藤子不二雄ファンサークル・ネオユートピア)
- ジャングル黒べえ小事典(アーカイブ)
毎日放送制作・NET系 金曜19時台前半 | ||
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